小話
「え~では本題に入ります~」
文芸部部長南野桜乃の、言葉に有沢理子は
呆れます
「桜乃部長、今までの時間を返してくださいよ」
「まあまあ、場も温まったしね
ところで、何故アイドルはグループで構成されている
場合が多いのでしょうか?」
桜乃部長は、カガミと有沢理子の顔を見ます
視線が合った有沢理子が、元気よく挙手します
「理子ちゃんどうぞ」
「はい、メンバーが多いと場が華やかになります」
「次、カガミ君」
「そうですね、不測の事態に備える為ですかね
事故、事件、休養、脱退、加入、卒業」
カガミの答えを、遮るように
桜乃部長は、手を叩きます
「はい、ストップだよ
カガミ君、言いすぎだからね
なぜか、それはね
多くのメンバーがいる事で、比較対象が限定される事で
普通の子は、可愛く 可愛い子は、もっと可愛く
あれ~な子も普通な子に、レベルアップ出来るんだよ
という訳で、この理論を利用したのが、この学園の
紹介の冊子とウェブページです」
南野桜乃は、桜花大学付属高等部の学校案内を
机に広げます
有沢理子が、声をあげます
「あ~カガミ君が載ってますね
これは、桜乃部長
隣に生徒会副会長広井弥生先輩が、写っているという事は
平凡なカガミ君を、隣に置く事で弥生副会長の美貌を
際立出せる為なんですね
そして、プロのモデルでは無い二人に対して
望遠カメラで、撮る事により
自然な表情を、撮る事に成功したのがこれなんですね」
桜乃部長は、サムズアップします
「理子ちゃん、その通りよ
この状況を作り出す為に
月子会長が、弥生ちゃんにこう話します
生徒会を手伝ってくれる、カガミ君と親睦を深める為にも、
差し入れでもしてみればと、さり気なく話します」
(あ~だから頻繁に、弥生さんが来た訳か)
カガミは挙手し、発言を求めます
桜乃部長は頷き、発言を許可します
「事後承諾という訳ですよね」
「勿論、拒否権は無いのよ~」
「分っておりますとも」
有難うございます