小話
「カガミ君も、どうぞお話くださいな」
文芸部部長南野桜乃が促します
「そうですね、私も寒い話しをして
お二人の失笑を受けたのですから
男らしく話してください」
同じく文芸部部員有沢理子も、話を聞くべき
姿勢を正します
二人の視線を受け、カガミは思案します
(何を話すべきかな?
さっぱり浮かばない、どうしたものか)
「では、人の意思の強さについて
人間の三大欲求について、僕の場合は食欲が一番
強い欲求なんですが、目の前で食べられると
食べたくなる訳で、匂いを嗅ぐと顕著になるのです
ですから、僕の場合は食べ物から離れて
匂いから逃げるようにしています
体重を落としたい時は、ぜひお試しください
でも、しっかり最低限の食事はしてくださいよ」
「それでカガミ君は、これからどうするの?
話しは終わりなのかな?適当に話をして逃げるつもりね
私と理子ちゃんに対して、ダイエットですか
一般的には、興味があると踏んだのね
カガミ君、私達を舐め過ぎよ」
南野桜乃は、カガミに指を差します
話しを聞いていた、有沢理子は頷きます
「では、僕には1つだけ自慢できる事があります
後ろ姿は、イケメンです
でも、正面は平凡です」
有沢理子は、立ちあがりカガミの後ろ姿を
見ます
「微妙ですよ、桜乃部長」
有沢理子は、カガミが座る椅子を回転させます
カガミの、後ろ姿をジッと見つめる南野桜乃
「うん、微妙
まあ言われればね、そう言えない事もないし
さあ、理子ちゃん読書に戻りましょか
休憩は終わりよ」
「了解です、桜乃部長
カガミ君なんて、無視してやる
例えつまらない話でも、ちゃん聞かなきゃね
聞き上手じゃないと、一生お婿に行けないよ」
「そうだよ、お婿にいけないよ
カガミ君」
「お二人とも、なぜ僕は婿に行くんでしょうか?」
南野桜乃と有沢理子は、目をそらします
有難うございました