勉強会での話
桜花大学付属高等部 新館第一会議室
加藤良子教頭は思案しています
(小娘少しは成長したか、最初は何も出来なかったからな
でも、まだまだね鍛えてさしあげましょう)
佐藤教諭は発声練習をしています、加藤良子教頭指導のもとで
「お腹から、声を出しなさい声が小さい」
加藤良子教頭は佐藤教諭のお腹を指でさします
「お腹よ、此処よそんな声じゃ
後の生徒は聞こえませんよ
姿勢も悪い背筋を伸ばしなさい」
(教頭先生怖いです、優しく指導してください
怒鳴られると怖いんです、心臓に悪いですよ)
佐藤教諭は涙を浮かべています
(小娘泣きそうになるな、まったく
私が職員室で小娘を指導すると
私がイジメテルように見えるらしい
確かに客観的に見れば・・・
小娘が直ぐ泣くから、私は立派な教師に成ってほしいのに)
「佐藤先生時間ですから、今日は終わりに
しますよ」
佐藤教諭は椅子に座り込みますが
直ぐ立ち上がります
「加藤教頭、ご指導有難うございます」
「はい、お疲れ様
少しずつですが上手くなってますよ
佐藤先生、頑張ってますよ貴方は」
加藤教頭はニッコリと佐藤教諭に笑いかけます
そして野菜ジュース数本を佐藤教諭に
差しだします
「そうですか~、頑張ります私」
佐藤教諭は嬉しくなり満面の笑顔です
「これ飲んで、しっかり練習するのよ」
「はい一生懸命やります」
(アメと鞭と言ってもね~
この子は・・・・
食べ物で釣れるわ)
「少し此処で休んでいきなさい
それと何事もよく考えて行動しなさいよ
最後に、六時に職員室で会議ですからね」
「はい、ご配慮有難うございます
お言葉に甘えさせていただきます」
加藤良子教頭が出ていくと
佐藤教頭は椅子に倒れこみます
(疲れました、でも教頭に褒められました
そうだ、ジュースこんなに鞄に入るかな?)
桜花大学付属高等部 新館教師寮
内藤正義教諭は、佐藤舞教諭の部屋のドアをノックしています
直ぐにドアが開き、佐藤教諭が顔を出します
「あれ内藤先生?何か御用ですか」
「勉強会だ、失礼するよ」
内藤正義教諭は部屋の中の様子が
見えました、
大量の本が積み上げられています
(入りたくないな、本のタワーが崩れるぞ
物理的に、三人座る場所がない)
「佐藤、お前の部屋はなんなんだ
予想通りすぎて
少しは整頓、いや本を処分しろ」
「内藤先生、図書館から借りてるので
処分はちょっと」
二人が話していると、鈴木華教諭が
声をかけます
「内藤先生、私の部屋でやりましょうよ
少し狭いですけど、舞先生も早く早く」
「じゃあ、準備してくるね」
佐藤教諭は部屋に戻ります
「内藤先生、私達は先に行きましょう」
「そうですね、早く行きましょう」
(心の準備が出来ていない
いや、これは必然
当然の事だ、ただ予想外に華先生の
部屋に行くのが早まっただけだ
冷静に常に平常心だ
いつの間にか
華さんの部屋の前に着いてしまった)
鈴木華教諭がドアを開け、内藤教諭を見つめています
(内藤さん、さっきから声かけてるのに
どうしたの?)
「内藤先生、聞こえてます?着きましたよ」
鈴木華教諭は、内藤正義教諭の手を引きます
(なんだなんだ、華さんにそうか)
「失礼しました、華先生
お邪魔します」
内藤教諭は部屋に入っていきます
「どうぞ」
(内藤さん大丈夫かな?
ロボットみたいな動きだけど)
「内藤先生、適当に座ってください」
「はい、座らせて頂きます
綺麗な部屋ですね、佐藤の部屋とは大違いですね」
「舞が聞いたら、泣きますよ~
あれでも綺麗になったんですよ」
(何処に座れば、華先生の近くのポジションが取れるかだ
ここは重要なポイントだ
しかし、この部屋に一歩足を入れた瞬間に
良い香りが、鼻から入り若干感動してしまった
危ない危ない
今は何処に座れば華さんの近くに座れるかだ
勉強会という名目だが
目的は佐藤の勉強会だから
佐藤を対面に一人で座らせるのが普通だな
しかし、今椅子を二つ並べると不自然すぎる
佐藤が来てから行動しよう
なるべく、今のうちに俺の近くに
椅子を引き寄せておこう)
内藤教諭は鈴木華に見られないように
椅子を少し移動させています
「飲み物なんですけど、インスタントのコーヒーか
缶コーヒーどちらが良いですか」
「缶コーヒーをお願いします」
キッチンから鈴木華が缶コーヒーを三つ
持ち、内藤正義の前の椅子に座ります
「どうぞ、内藤先生」
「有難うございます」
内藤正義は、鈴木華から缶コーヒーを受け取ります
「佐藤遅いですね」
「もうすぐ来ますよ、
ところで、話しは変わりますけど」
鈴木華教諭が話し出そうとすると
ノックをして、佐藤舞が入ってきました
「お邪魔します、この野菜ジュース
お裾わけです、教頭先生にいただきまして」
内藤教諭は意気込みます
(よし、今だ佐藤をまず俺の対面に座らせよう)
鈴木華が佐藤舞教諭の大きな鞄を受け散り
椅子を二つに並べて座りました
右に鈴木華、左に佐藤舞が座ります
(しまった、いくら佐藤でも手伝うべきだった
今度から手伝おう、たとえ佐藤相手でも
華先生親切ですね、佐藤の荷物を持ってあげるなんて
まあしょうがない
華先生の顔が正面から見えるし
まあ良いか 欲張りはいけないな
二人が対面に座ると
面接を受けているみたいだな
緊張するな、若干だが)
「佐藤、重そうな鞄だけど
そんなに要らないんじゃないか」
「一刻も早くと思いまして
お待たせしてはいけませんので
鞄に詰め込んできました
そうだ、野菜ジュースどうぞ」
佐藤教諭は
数本の野菜ジュースを机に置きます
「舞は教頭に可愛がられてるね
マンツーマンで特訓だもんね」
「うん、少し怖い時もあるけど」
(確かに加藤教頭は熱心に指導してるな
佐藤は最初は悲惨だったな)
内藤教諭は野菜ジュースを口に含みます
「では、舞の勉強会開始」
「有難う、協力してくれて二人とも」
「佐藤模擬授業しようか
まずはやってみなよ」
「舞、リラックスしてやろうね」
佐藤教諭は鞄から教科書とノートを取り出します
「では、始めます」
佐藤教諭は二人を生徒に見立て
授業を進めます
鈴木華は笑顔で佐藤教諭を見ています
(うわ~すごい成長ぶりかも
途中で止まらないし、喋りが上手くなってる)
「佐藤、お疲れまずは座りなよ」
佐藤教諭は喉が渇きました
机に有る、野菜ジュースを口にします
「佐藤、それ俺が口つけたやつだけど
まあ、ついでに飲んじゃいなよ」
「うん、ありがとう」
ゴクゴクと野菜ジュースを飲み干す
佐藤教諭を見る、内藤教諭
(佐藤は注意力散漫だな
これは、しかしダメだ
間違えて、華さんの缶を飲むというのは
華さんは、カップでコーヒーを飲んでいる
最初に、缶コーヒーと言わなければ
流石に缶と、カップを間違える人間はいないから
いや、佐藤なら十分可能性があるな)
佐藤教諭の肩を揉む
鈴木華
「すごい成長したね、舞
ビックリしたよ」
「うん、加藤教頭に少し
褒められまして」
佐藤教諭は苦笑いを浮かべます
「佐藤、まあ喋りは成長したよ
ただもう少し、ゆっくり喋っても大丈夫だよ
聞き取りにくいから
最後に要点を短く的確に」
「はい、そうします内藤先生
話しは変わりますけど、加藤教頭にですね
腹式呼吸で声を出しなさいと指導されてるからね
お腹が、引き締まったんだよ」
佐藤教諭がお腹を指さします
鈴木華は佐藤教諭のお腹を触ります
「少し硬いかも、内藤先生も触ります?」
「遠慮しときますよ」
(華さんのお腹なら喜んで触りますよ)
「舞、本当に肌白いわね
お腹とか」
鈴木華は、佐藤舞のジャケットをずらし
お腹を指でつついて、撫でまわします
内藤教諭の目が自然に
佐藤教諭の白いお腹に目が向かいます
(つい、佐藤の白いお腹を見てしまった
けして、邪な思いで見たわけでは無い
そう、これは条件反射に近いものだ
動物には子孫を残すという
使命が遺伝子に刻まれているのだから
女性の体に反応するのはしょうがないんだ
佐藤を異性とは見ていないのだが
本能とは恐ろしい、以後気を付けなければ
華先生には見られていないなセーフだ
そんなに夢中で、触り続けますか華さん
若干、あの白いお腹を突きたくなってきた
いや、いけない俺は華さん一筋の
男なのだから)
「秋田美人ですから」
「佐藤は生まれは、秋田なのか?」
「いえ、神奈川ですよ
鈴木先生に肌が白いと
褒められたのでなんとなく?」
微妙な空気が流れます
(佐藤、分りずらいボケなのか?)
鈴木華教諭は話題を変えます
「そういえば、舞の部屋の本の
収納先見つけたわよ
借りてる本はさっさと返却するとしてね
舞の本はね、寄贈という形で
図書館に置けるように頼んでおいたからね
文芸部の部員に
本の運搬の手伝いお願いしたからね」
「お世話掛けます、鈴木先生
もう良いですか、お腹から手を話してくれません?」
佐藤教諭のお腹を撫でていた
鈴木華は、名残惜しそうに
お腹から手を離します
「では、舞で遊ぶのはこれ位にして
解散しましょうか
内藤先生よろしいですか?」
「そうですね、時間も遅いですからね」
「あの~質問なんですが
毎日するのですかお二人とも」
頷く、内藤教諭と鈴木華
「そうですか、頑張ります」
お疲れ様です、5話まで書けるとは思いませんでした
予想外です
また、投稿できればと思います
失礼いたします