有沢理子初めてのツッコミ
文芸部部長南野桜乃は、カガミを手招きします
「カガミ君、こっちに来てよ
後ろから、脅かす練習するから
早く早く、理子ちゃん来ちゃうよ」
カガミは、本を机に置き
立ちあがり、南野桜乃に背中を向けます
「こんな感じで宜しいでしょうか?
桜乃部長」
「ありがとう、じゃあ行くよカガミ君」
南野桜乃は、勢いを付けてカガミの
背中に抱きつき、首に腕を絡めます
「ちょっと、桜乃部長驚きましたけど
苦しいですよ、首が」
「どうよ、カガミ君
蛇のように絡みついてみました」
(何と答えれば良いのやら)
ドアをコンコンとノックして
有沢理子が、何事も無いように席につきます
「お二人とも、ふざけてないで席についてください」
「理子ちゃん、スルーなの
この状況でツッコミは無いの?」
カガミは、桜乃の拘束を解き
着席します
「う~、カガミ君
理子ちゃんが冷たいよ」
「桜乃部長、さっさと始めましょうか」
「うん、そうするわ」
南野桜乃は、椅子に腰かけると手を組み
目を閉じます
「私は、今朝の夢の中で
ものすごく面白い夢を見ました
それを書いてみようかなと、思いました以上です」
「そうですか、じゃあ頑張ってください」
「それだけ、理子ちゃん私が見た夢の内容が
凄い気になるでしょう、ねえ聞きたいよね」
「いえ、作品が出来上がれば分ることですから」
桜乃は、読書中のカガミに視線を送ります
カガミは、視線を感じ口を開きます
「理子さん、北風と太陽というお話は有名ですよね
旅人のマントを、北風と太陽どちらが脱がすかを
競う訳ですが、北風は力ずくで風を吹きつけますが
ダメでしたよね、太陽の様にこの場は
桜乃部長の話を、引き出しましょうよ」
「ちょっと、二人ともカガミ君の例えも微妙よ
理子ちゃんも興味持ちましょうよ
私達が所属しているのは、文芸部なのよ
小さな事でも、作品を作るヒントになるかも知れないでしょう」
「桜乃部長流石ですね、さあどうぞどうぞ
続きをお話ください、カガミ君も聞きなさいよ」
「了解です」
カガミは、姿勢を正し
桜乃の方へ体を向けます
「ちょっと、二人ともそう改まられると話しずらいじゃない」
「どっちやねん、あんた」
有沢理子は、立ちあがりツッコミを繰り出します
「理子さん、見事なツッコミですね」
「へへ~そうかな~
少し恥ずかしいかも」
文芸部部長南野桜乃は、その場から立ちあがります
「この話のオチこれで良いの~」
カガミも立ちあがります
「良いんです」
有難うございました