テーブルテニス
広井飛鳥は、浦鏡の手を引き歩き出します
「浦君、少しお付き合いしていただけますか?」
「何処へ行くんですか?、飛鳥さん」
「体育館へです、テーブルテニス
でもしましょうよ」
「卓球ですか?飛鳥さんは得意なんですか?」
「ぼちぼちですね、浦君はどうです?」
「僕もです」
(妙に落ち着いてるから、気になるな)
体育館へ着くと、使用許可書に記入し
靴を履きかえ
二人は二階へ足を運びます
そして卓球台へと向かいます
浦鏡は、箱からラケットとボールを取り出し
広井飛鳥に、手渡します
(案外、気が付くんだ浦君は意外かな
マイペースな感じだから)
「有難う浦君、私から提案したのに
全部やってくれて」
「どういたしまして、お役に立てて光栄ですよ」
「浦君、私は準備は出来たよ
早速やろうか」
広井飛鳥は、ラケット構えます
「飛鳥さんから、どうぞ」
浦鏡は、ボールを広井飛鳥に
向けて軽く投げます
「有難う、早速行くよ浦君」
(早速、行きますよ浦君)
広井飛鳥は、素早く腕を振りぬきます
対角線上の浦鏡に、鋭く打ちこみます
浦鏡は、バックハンドでボールの勢いを
殺さず、打ち返します
広井飛鳥は、力を込めてボールを
卓球台へと叩き落とします
大きく跳ねたボールに、浦鏡は手が出ず見送ります
(やった、完璧に決めたわ)
「どう?浦君今のスマッシュは」
(どう対処するかな、早めに対策を取らないと
ワンサイドゲームになるな)
「あれは取れませんよ、飛鳥さん」
(あまり考えさせないように、時間をおかずに
思考に攻撃開始よ)
「次行くよ、浦くん」
軽くサーブを打ち込みます
「浦君、スポーツをして友情を深めよと
今卓球をしてるんだけど、私の事
少しは分った?」
(話しながら、ラリーをしよう)
「どうでしょね」
(集中だ、ここは)
浦鏡は、バックハンドで
ボールの勢いを利用し
打ち返し続けます
「飛鳥さんは、スマッシュは腰を使って打つので
威力がありますね」
(確かに、威力は有るかもね)
広井飛鳥は、笑顔を浮かべて
フォアハンドで、力ずよく浦鏡へと打ちこみます
「浦君ラリー続けようよ
話しながら出来るねよね」
(結構難しいですよ、飛鳥さんこれは)
「そうですね、緩いボールでしたら」
浦鏡は、スピード落としてボールを打ち返します
(飛鳥さんは、重心が安定してるから
このラリーは、続きそうかな)
(浦君、ミスしないな~)
「浦君、罰ゲームとかしようか
このラリー止めた方が」
(プレッシャー作戦ですよ、浦君)
広井飛鳥は、少し強めに浦鏡に打ち返します
「そうしましょうか、飛鳥さん
どんな罰ゲームにしますか?」
浦鏡は、卓球台の端へボールを
打ち返します
「じゃあね、何でも命令をきく
にしましょう」
広井飛鳥は、また卓球台に大きくボールが弾むように
スマッシュを打ち込みます
浦鏡は、卓球台から距離を取り
確りと、ボールを打ち返します
(距離を取って、ボールが弾んでも打ち返す
時間とボールの軌道を、確認した訳ね
浦君は、でも台から離れた今
私は、浦君が間に合わないように
打ち込んであげるわ」
広井飛鳥は、素早くスマッシュを打ち込まれます
浦鏡は、急いで前進してラケットの先に
何とか、当てることが出来ましたが
次の瞬間には、広井飛鳥のスマッシュが決まりました
(浦君、意外に頑張るね
予想外だよ)
「浦君、惜しかったねもう少しだったね
罰ゲームは考えとくね」
「了解です、楽しみ待っていますよ」
(最初のスマッシュを返せたんだから
悪くはないかな)
(何にしようかな? 罰ゲームは)
「浦君、文芸部行くんだよね
これから、私も一緒に行くよ
見学させてよ」
「そうですね、区切りもよいですし
ご案内しますよ、飛鳥さん」
お疲れ様です、失礼します