創作
桜花大学付属高等部 新館図書館 文芸部部室
ドアをコンコンと、ノックして文芸部顧問鈴木華教諭が
文芸部の部室に入ります
「久しぶりね、文芸部の皆
分っていると思うけど、原則図書館では飲食禁止だからね
文芸部の部室だから、例外的に許可されてるだけなんだからね
ほら、理子ちゃんはウエットタオルあげるから
手を出しなさい」
鈴木華教諭は、強引に有沢理子の手を取り
ウエットタオルで、丁寧に有沢理子の手を拭きます
「華先生、自分で出来ますので」
「遠慮しないでね」
文芸部部長南野桜乃が、鈴木華教諭に手を出します
「華先生、私も拭いてください」
鈴木華教諭は、無言でウエットタオルを差し出します
「自分で、拭きなさいね桜乃さん」
「差別ですよ、文芸部顧問鈴木華先生
浦君で、良いや拭いてよ」
「浦君は、手は洗ったのかしら?」
パソコンの、画面を見ていた浦鏡は手を見せます
「先ほど、部室に入る前に洗いました
本が痛むといけませんから」
鈴木華教諭は、三人の部員を見つめます
「良いですか、先ほども言ったように
飲食は、基本図書館では禁止です
それは何故か、本が痛むから又本が汚れるから
キチンと約束を守らないと、部室でも禁止にするからね
覚えておきなさいね」
「華先生、顧問っぽいですねどうしたんですか?」
「あなたも、部長らしく行動しなさいよ
文芸部部長南野桜乃さん
今日はね、文芸部らしく何でもよいから作品を作りなさい
最近、三人とも創作活動して無いでしょう
ですから、今日は私が概要を説明しましょう
三人で、お題を出し合って
あらすじ・登場人物・結末を出して
作品を創作してみなさい
簡単よね、部長さん」
「簡単ですよ、それぐらい作品の概要が出来ているんですから」
「桜乃ちゃん、後は任せたわ
じゃあね」
文芸部ドアを開けて、鈴木華教諭は出て行きました
「桜乃部長、さっさと始めましょうか」
「理子ちゃんが、やる気出してるから
浦君も座りなさいな」
三人が向きあい、座ります
「では、私文芸部部長南野桜乃が司会進行させていただきます
書記は浦君ね、理子ちゃん早速お題を出しなさいな」
浦鏡は、ノートを出しメモの準備をします
有沢理子は、二人を見て話し始めます
「まずは、ファンタジ―恋愛小説です
あらすじは、女子高校生がお風呂に入っていると
突然知らない森に移動してるんです
で、何だかんだで馬に乗った王子様に助けられるんですよ
助けてくれた王子は、第三王子で三人兄弟なんですよ
長男が、とにかく優しくて気がつくんですよ
二男が、一番美系で頭が切れるんですけど冷たい感じなんです
助けてくれた三男が、天然で甘えん坊で可愛い年下なんですよ
どうでしょう?」
「浦君、メモ出来たみたいね意見を言いなさい」
「では、登場人物が三人出てますから
ヒロインである女子高校生を、三人の王子との恋愛で話しを進めて良いのかな
理子さん?」
「そうです、書きやすそうでしょう」
「じゃあ、これは理子ちゃんが書きなさいね」
「任せて下さい、桜乃部長」
「今度は、私が提案するね
ジャンルは、推理
主人公は定番の、新人捜査官の女の子で普段はダメダメで
事件推理では、天才的な才能の持ち主で
相棒は、年上の渋い感じの男ね
妹を、悲惨な事件で無くしてる犯人は捕まっていない
で、犯人は上層部の人
最後は、どうしようかしらね?」」
浦鏡は、手をあげます
「浦君、どうぞ」
「結末なんですが、やっぱり犯人を追いつめて逮捕しても
何時のまにかに、消えているって感じですか?謎が残る感じですか」
「それは、作者に決めてもらいましょう
理子ちゃんは?何か有るかな?」
「いえ、この話は桜乃部長ですよね」
「そうね、最後に浦君どうぞ」
「では僕は、架空歴史小説を
小さな国の姫が、男を助ける場面から始めます
その男が、恩を返す為に小さな国を守る話です
武力ではなく、知恵とトリックで守るんです
消して戦わないんですよ、血を流さない戦いですね
例えば一晩で城を立てるとか、有名ですよね」
「それで、話しは進めましょう
まあ、鈴木先生の趣旨と若干違うけど
三作品の概要も、出来たわね
二人とも、作品の構想を考えていたのね
偉いよ、作品はホームページで先に公開しましょう
評判が良ければ、印刷しましょう
エコよね、紙は大切にしなきゃね」
お疲れさまです、失礼します