差し入れ
桜花大学付属高等部 新館図書館 文芸部部室
ドアを開け部室に入る、浦鏡
「ただいま戻りました
生徒会副会長広井弥生さんから、差し入れです
桜乃さんに、宜しくだそうです」
文芸部部長南野桜乃は、クッキーを一口食べます
「理子ちゃんもお食べなさいな、遠慮せずに食べなさい」
「頂きます」
(けっこう美味しいです)
有沢理子は視線を南野桜乃に向けます
南野桜乃は有沢理子に頷きます
「ところで浦君は、何を貰ったのかな?
生徒会長よりも美人な副会長広井弥生から」
「パンを頂きました、桜乃部長」
「理子ちゃん、これが残念だけど現実なのよ
生徒会副会長広井弥生は、クラスメイトであり
親友である、私よりも浦鏡を選んだのよ
生のパンではなく、乾燥したクッキーを私達に食べさせて
私達を切り捨てたのよ、恋する女は怖いわね
私達は、友情を大切にしましょうね」
クッキーを、ポリポリと食べていた有沢理子は
南野桜乃に、頷きます
「その通りですね、桜乃部長
友情よりも、男を選ぶなんて恥知らずですね」
「理子ちゃん、嫉妬してはダメですよ
それと少し言い過ぎだからね」
「はい、言動には注意します」
有沢理子は、クッキーを手に取ります
口へ運びます
「桜乃部長と、弥生さんはクラスメイトだったんですね」
「そうなんですよ浦君、私の隣に弥生が
弥生の後ろに、生徒会会長の綾瀬川月子の席が在るんですよ
月子は、手が空いていたら弥生に抱きついているんですよ
まるで、・・・・の様に
まあ。私も弥生には抱きついてるんだけどね
月子曰く、弥生の後姿は抱きついてとアピールしてるぐらい
無防備なんだって、私は正面から抱きつくけどね
ここまで、話せば分るよね理子ちゃん
推理しなさい」
有沢理子は、クッキーを食べ終えて
推理を始めます
「そうですね、桜乃部長
邪魔になる、浦鏡を広井弥生から遠ざける為に
消します、広井弥生に群がる虫として」
有沢理子は、浦鏡の首を絞めています
「理子さん、ネクタイで閉めた方が確実だと思いますが」
文芸部部長南野桜乃は、浦鏡のネクタイを解き
首を絞める動きをします
「理子ちゃん、直ぐに結末を言ってはダメよ
もう少し、盛り上げてからクライマックスに続けないとね
浦君、ネクタイでの殺害方法では無く
私は、屋上に呼び出し落下させるわね
事故に見せかけてね、若しくは上から氷でも落そうかしら」
「さすが、桜乃部長です何となくもっともらしく
話を纏めましたね」
「そうね、実はもっと証拠が残らない
浦鏡消失を考えてしまったのよ」
「理子さん、なにげなくワイシャツの中に手を入れないように
桜乃部長も、鎖骨を撫でないでください」
「理子ちゃん、これは文芸部の活動よね」
「そうですよ、自意識過剰ですね浦君
こんな体に興味なんて有りませんよ
色白で、若干腹筋が割れている体なんて
推理小説を書く上での実戦的な考察を
実際に人体を使い実戦してるに過ぎません」
「理子ちゃん、鎖骨を摘まみたいのよ
どうすれば良いのかしらね」
浦鏡は、二人からゆっくりと距離を取り
パソコンの電源を入れます
「さて、本の貸し出し記録をチェックしよう」
「理子ちゃん、大した事ないわね浦鏡」
「はい、平凡ですね浦鏡
上手い切り返しが思いつかないようでしたね」
お疲れ様です、では失礼します