ナス
桜花大学付属高等部 新館図書館
怪盗ラウールの冒険を、読む浦鏡
(探偵ラウルは、怪盗ラウールが化けていたのか
如何にもの感じだったので、まさかって
名前少し捻った、だけじゃないか単純すぎる)
隣に座っていた、文芸部部長南野桜乃が
小声で感想を尋ねます
「良かったですよ、ラウールが主人公らしい活躍でしたね」
「浦君、本が読める幸せを感じますね
ですから、図書館のお手伝いする
文芸部のお仕事は、熱心にしましょうね
本を読むなら、気持ち良く読みたいでしょう」
正面に座る、有沢理子にも視線を向けます
「桜乃部長、善処します
浦君は、男の子だから私より期待できますよ」
「そうね、期待しときましょう
沢山重い本を運んでもらいましょう」
桜花大学付属高等部 新館噴水前
生徒会副会長広井弥生は、ゆっくり慎重に歩いてきます
「浦君、これを一口食べてみてください」
浦鏡は、バスケットからパンを取り出し
口に運びます
「ふっくらして美味しいですよ、チョコの風味がしますね」
「気が付きましたね、生地にチョコの粉末を混ぜてみました
成功ですね」
「僕だけ、食べるのも悪いですし
何方かに、食べてもらったら如何ですか?」
「良いの、月子ちゃんが浦君と親交を深めるようにって
何時も、お世話になってるしね浦君には」
「そうですか、月子会長が」
「浦君は、紅茶派かコーヒー派
どっち?」
「突然ですね、そうですね
コーヒーですかね、紅茶は最近は飲んでないですね
でも、出された物は何でも飲みますから
気にしないでください」
広井弥生は、ナスのジュースを取り出し
浦鏡に、笑顔で渡します
(苦手な物が出てきたな、何故ナスのジュースが)
キャップを、開け一気に飲み干す浦鏡
(後味が、一気に飲んでもこれだけは避けられないな)
広井弥生は、カフェオレをストローで飲み始めます
「実は、ボタン押し間違えてね
転びそうになって、手をついたらボタンを押してたんだよ
ビックリしたよ」
ナスのジュースを飲みほした、浦鏡を見つめる広井弥生
「やっぱり苦手だった?浦君」
「まあ、若干ですかね」
(ナスのジュ-スは、見かけ無いからな他の所では
この学園は珍しい物を、並べたがるな何でも)
お疲れ様です、失礼いたします