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料理

桜花大学付属高等部 新館職員室




加藤良子教頭に、椅子を勧められる




内藤正義教諭





「失礼します」




「内藤先生、どうですか




 ご自分のクラスの様子は」





「そうですね、今のところは問題ないですね」





「それは、なりよりです




 1年4組と佐藤先生の事は




 今後も宜しくお願いしますね」






「彼女なら、大丈夫だと思いますが加藤教頭」






「念の為ですよ、佐藤先生は時々




 予想外の行動をしますからね」





加藤良子教頭は、鈴木華教諭を見つけます






「加藤先生、此方に来てください



 内藤先生は、もう良いですよ



 お疲れ様でした」






「では、失礼いたします」





席を立つ、内藤正義教諭




鈴木華教諭は、内藤教諭の肩を指でつつきます





「何か、加藤教頭から言われましたか?内藤先生」




「いえ、特にはありませんよ」





「そうですか」





加藤教頭が、鈴木教諭を手招きします




「鈴木先生、別に説教するんじゃ無いんですから




 さっさと来なさい」





内藤正義教諭は、自分の席に腰を落とします





佐藤舞教諭が、パソコンに向かっている姿が




目に入ります




そして目を瞑っています





「佐藤は、何をしてるんだ?」





「此処の、ホームページを見ています」






「この学園のホームページか




 何か分ったか?」





「学園の歴史が分りましたよ」






「微妙な言い訳だな




 さっさと目を覚ませよ




 顔でも洗ってくれば、佐藤」






「はい、目覚まして来ます」


 



よろよろと歩いて、職員室を出る佐藤教諭






加藤良子教頭の、前に座る鈴木華教諭





「鈴木先生、クラスで何か




 困った事は有りますか?」






「まだ、これと言っては




 有りませんね」





「それは、良かったです




 以上で宜しいですか鈴木先生




 最後に、文芸部の顧問頑張ってくださいね」





「それだけですか、加藤教頭」




「鈴木先生は、安心して任せられますからね」






「有難うございます、ご期待に応えられるように



 頑張ります」





桜花大学付属高等部 教員寮






「舞ちゃん、眠たいのかな?」





鈴木華は、佐藤舞を覗きこんでいます




二人を見つめる、内藤教諭





「華先生、佐藤は寝不足みたいなので




 勉強会は、無しにしましょう」





「そうですね、内藤先生




 疲れが出たんでしょうね、舞は」





 佐藤舞は、パンケーキクッキーを




 二人の前に置きます








「美味しいですよ、ぜひ一口どうぞ





 時には、休息も必要ですしね





 そういえば、加藤教頭とは何を話してたんですか?」






「大したことは、話してないよ




 そうですよね、華先生」






鈴木華は、佐藤舞の髪を弄んでいます





「そうですね、業務連絡の様な事




 でしたね、口開けて舞ちゃん」





パンケーキクッキーを



佐藤舞の口に運びます






「華先生、この口は




 鳥の雛みたいですね」






「そうですね、内藤先生




 大きいですしね、この口は」




鈴木華は、佐藤舞の口をグリグリと押します






パンクッキーを食べていた、内藤教諭は席を





立ち、冷蔵庫を開けます






「佐藤、飲み物貰うよ」





「どうぞ、好きなものを選んでください」





(野菜ジュースだらけだな




 自炊する気は、無いみたいだな




 この冷蔵庫の中身だと)






「佐藤、この冷蔵庫の中身じゃ




 料理出来ないだろう」






「そうです、でも私は料理は少しは作れるんです




 なぜ、作らないかのか




 それには、深い理由が有るのです



 

 料理を一人分作ると





 どうしても余るし、残してまた食べるのも





 なんとなく、嫌なので作らないだけです





 ですから、怠けている訳ではありませんよ




 華先生も同じですよね、冷蔵庫の中身は」






「あ~そうだ、舞は料理を教えて貰いなさいよ




 内藤先生は料理お得意ですよね、




 舞先生教えて貰えば




 美味しい料理の作り方を」







「と言う事なので、機会が有れば





 宜しくお願いします内藤先生」





(華先生とは、是非一緒に料理を作りたい




 思いで一杯ですが




 佐藤は不器用そうだからな、注意力が無いんだよな)





「そのうちに、機会が有れば教えるよ」




(舞ちゃん、話しながら眠るなんて




 凄いのかな?)





「舞ちゃん、ダウンだね




 内藤先生、舞を運んであげてください」




「お任せください」





内藤正義教諭は、佐藤舞の背中に手を回し




ベッドに、佐藤舞教諭を寝かせます





(まさか、佐藤を運ぶ事になるとは




 案外、軽いな佐藤は)





「内藤先生、今日は解散にしましょうか



 舞も、寝てしまったので」




「そうですね」





「片付けは、私がやりますから




 内藤先生は、お先にどうぞ」





「いえ、最後までお手伝いしますよ」





(人として、片付けぐらい




 お手伝いしなければ、華さんを部屋まで送り届けなければ)





クッキーを取り分けて、内藤教諭に差しだす鈴木華教諭





「どうぞ、貰ってください




 舞が、せっかく用意したものですから」




「そうですね、丁度片付け終わりましたし




 部屋まで、お送りしますよ華先生」





「そうですか、ではご好意に甘えさせていただきますね」





(しかし、直ぐ到着してしまうんだよな




 階が一緒だからな)



 


部屋の電気を消す、鈴木華教諭




「内藤先生、出ましょうか」





「はい、戸締り確認しました」




鍵を出し、確りとドアを閉める



鈴木華教諭




「内藤先生、何時もお付き合いしてくれて



 有難うございます」




「いえ、同期の三人で勉強会出来て



 大変勉強になりますし」




(佐藤の部屋ではあるが、



 華さんとの、距離が確実に



 近ずくからな)




内藤正義教諭の、腕を引く鈴木華



「内藤先生、舞が気になるのは分りますけど



 行きましょうか」




「いえ、少し考え事をしていて



 さあ、行きましょう」





(出来れば、華先生の部屋に



 行きたいが、やはり夜に伺うのは非常識だな



 色々と、準備もあるだろうし



 逆に、招く立場なら掃除もしなければならないし




 俺なら、綺麗な部屋に華さんを招きたいし)





「内藤先生、有難うございます



 御礼に寄っていきますか



 実は、昨日のおかずが残っていて」




(これは、お誘いと判断しよう



 せっかく華さんの、料理が食べれるんだから)




「お任せください、お腹すいてたんですよ



 忘れてましたよ」




(内藤先生には、私の料理を




 食べて貰って、日ごろの疲れを取って貰いましょう



 疲れが溜まってたら、大変ですから)






「気を使わせて、御免なさいね



 さあ、どうぞ散らかってますけど」





(どんな、料理が待っているんだろうか?)





「内藤先生、靴脱いでくださいよ




 体調悪いんですか、無理せずにしてくださいね」





内藤教諭の、脈を確認する鈴木華教諭





「少し、早いですね脈は



 熱は無いようですけど」





「大丈夫ですよ、華さんの料理が楽しみでして」 





(浮かれすぎて、しまったようだ)




「さあ、どうぞ入ってください」

読んでいただき有難うございます

失礼いたします

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