平穏な日
桜花大学付属高等部 新館職員室
昼休みの、待機シフトを加藤良子教頭が
作成しています
「緒方主任これで、どうでしょうか?」
シフト表を、学年主任である緒方綾子に渡します
「特に問題は無いかと思います
あの加藤教頭、なぜ内藤先生と鈴木華先生の
シフト時間が意図的に重ならないように
なっているのですか?」
「そうですね、総合的な判断です
特に問題は無いんですよ、
佐藤先生の部屋で
何時も、三人で勉強会してますから
仲は良いですよ、三人とも」
「そうですか、総合的な判断ですか
ところで加藤教頭、夜に男性教諭を部屋に入れるのは
問題ありませんか?」
「大丈夫でしょう、佐藤先生の部屋ですから」
緒方綾子は、佐藤教諭を思い浮かべます
「確かに、そうですね」
「それでは、印刷しましょう緒方主任」
桜花大学敷地内 レラン桜花
コーヒ―を飲む、内藤正義教諭
向かいに座る佐藤舞教諭
「佐藤、このシフト表を見て
何か思うところは?」
佐藤舞は、シフト表を注意して見ます
「内藤先生と緒方主任のシフトが良く重なりますね」
「佐藤、それよりも何故
俺と、華先生のシフトは重ならないんだ?」
「大丈夫ですよ、いつも三人で勉強会してますから
寂しくないでしょう内藤先生」
(佐藤、そういう事では無いんだよ)
「なにか、明確な意図を感じるな
なあ佐藤」
「4月だからじゃないですか
変わるんじゃないですか、月ごとにシフトは」
佐藤舞はパンケーキを食べます
「どうぞ、内藤先生お口を開けて下さい」
佐藤舞は、パンケーキを切り分け内藤教諭の
口に入れます
「なんか、前より甘くないな
どうして?」
「シェフの前田夏子さんが、私の為に作ってくれる特別製ですよ
カロリー控えめで、太りずらいそうです」
佐藤舞は、パンケーキを口に運びます
「今度は二人で、来なければ」
内藤教諭は呟きます
「内藤先生、二人で来てるじゃないですか
今も」
ニコニコと笑顔で佐藤教諭は言います
(佐藤ではなく、華先生だがな)
「よく食べるな佐藤、そろそろ戻るよ」
「分りました、直ぐたべますから待ってください
内藤先生」
佐藤舞教諭は、口を大きく開けて
パンケーキを食べます
(佐藤、口でかいな
噛んでないな、パンケーキ飲み込んでる感じだな)
「佐藤、待ってるからゆっくり食べなよ
顔が面白いことになってるから」
桜花大学付属高等部 新館図書館
石田治は、新聞を読んでいます
陸上の市民大会の、結果が載っている記事を
読んでいます
「石田、珍しいな図書館に来るなんて」
正面に座る、浦鏡をチラッと見て
直ぐに、新聞に目を戻します
「時には、静寂を楽しみたいんだ
自分の記事も、読んでおかないと
取材の時に困るんだ
過去は振り返らない主義なんだけど」
「確かに、取材を受ける時に困るかもな」
「そうだ浦、今日は君が所属する文芸部の
小説の感想を言いに来たんだ
ついでに」
「あまり聞きたくないけど、
聞いとくよ」
「普通だったな、読めるレベルだったよ
この記事貰って良い?」
石田治は、新聞を指さします
「コピーは、階段の所に有るから行ってきな」
「お金取るよね、お金貸して」
「これで足りるだろう、奢ってあげよう
行ってきな」
「有難う浦、300円も奢ってくれて
助かるよ」
「大げさに言わなくて、良いから」
新聞を持ち、立ち上がる石田治
「浦、悪いが後は頼む
美人な文芸部員達に、囲まれている天罰だと思え」
大量な、新聞が机の上に
残され、それを浦鏡は見つめます
(しょうがないな石田、この量では
片づけられないから、今回だけはやってあげよう)
暫くして、石田治が戻ってきました
「浦、助かったよ
俺の記事を上げよう、またな」
印刷した記事を置いて
石田治は立ち去ります
浦鏡は、記事に目を向けます
(コピー失敗したのか、石田は
しかも置いていくとは
何かに使えるかな、この紙の裏は)
お疲れ様です、次も投稿できればと思います
失礼します