作者ネタ切れの為の救済ファンタジー小説 精霊図書館 1話
よろしくお願いします
精霊図書管理委員会 第三管理課
カガミ・ウラ参事官が、任命書を読み上げています
「今日より、ゲルク・コトハ・マリアに
精霊図書管理委員に任命します」
ゲルク・コトハ・マリアは敬礼します
「全力で職務に励みます」
カガミ・ウラ参事官はゲルク・コトハ・マリアに
視線を合わせます
「コトハさん、とにかく頑張れ
僕はこれから、精霊図書の収集に向かうから
君の机に資料が置いてあるから
精霊図書を回収してきてください
じゃあ」
カガミ・ウラ参事官が走り去って行きます
コトハ一人だけが残されます
(カガミ参事官、立ち去るの早すぎですよ
他に誰も居ないんですよ此処)
精霊図書管理員会第三管理課の職員は、コトハだけが一人残っています
既に精霊図書の、回収・収集に行き誰も残っては居ません
コトハは、カガミ参事官に指示された
机の上に有る、資料を読み始めます
(とにかく現場に移動しなきゃ、精霊図書の回収に行かなきゃいけません)
コトハは、精霊図書館の裏口へ向かいます
裏口に待機している、車にコトハは乗りこみます
後ろの座席に座ります
(運転手つきです、なんか凄いな)
コトハは、運転手に精霊図書管理カードを渡します
「管理官の方ですね、目的地と任務内容をお答えください」
コトハは、鞄から資料を出しもう一度確認します
「オーク地方イーストです、火の精霊図書の回収です」
「間違いないですね」
「はい」
運転手は車を出します
(運転手さん、先ほどから無言です、何か喋った方が良いのかな?
でも、眠くなりましたし仮眠を取りましょう)
車が止まったので、目を開けるコトハ
「着きましたよ管理官、下りてください」
(早い、もう少し眠りたいかも)
コトハは運転手の声でしっかりと目を開けて
車の外の景色を確認します
「有難う御座いました」
会釈して、車からコトハが降ります
(太陽眩しいな、そうだ身だしなみチェックしないと
ローブが汚れてたら大変です、)
コトハは、ローブを注意してみます
幸い、涎は垂れていませんでした
コトハは、精霊図書の元所有者の家に向かいます
所有者は既に亡くなっているので
管理人を訪ねます
コトハは玄関のドアを開けます
「お忙しいところ、すいません精霊図書館の者です」
コトハは管理人に深くお辞儀をします
「ご苦労様です、これがカギです
宜しくお願いしますね」
鍵を受け取るコトハ
「お任せください、では失礼いたします」
もう一度、管理人にお辞儀をします
コトハは、元所有者の玄関に向かいます
鍵穴に鍵を入れドアを開けます
部屋に入り、精霊図書を探し始めます
一階を探し終えると階段を上り、2階へと行きます
もっとも可能性が高い、書斎に向かいます
本棚に、精霊図書が有りました
コトハは精霊図書を本棚から取りだし、近くの机に置きます
コトハは早速本を開き、深呼吸をし
火の精霊の精神世界に飛び込みました
(気持ち悪い、それに痛いです)
コトハは着地に失敗しますが、我慢し精霊を探します
小さい男の子が居ます
「初めまして、私はコトハです
よろしくね」
「コトハ?」
「そう、コトハ」
「君は、マスターに何て呼ばれてたのかな?」
コトハはしゃがんで、男の子に視線を合わせます
「思い出した、エンと呼ばれてた」
「エンね、じゃあエン私と一緒に精霊図書館に行きましょう
エンを保護しなきゃいけないんだ」
コトハは、エンに手を伸ばします
「なんで?」
「それはね、エンがね一人で居ると
他の精霊図書に取りこまれるかもしれないからね
だから私と一緒にいきましょう」
「マスターは居なくなったけど
此処にいる
お前とは行かない」
エンは座りこみます
コトハは、板チョコを取り出します
(これで、なんとかなるかな上手くいけば良いけど)
そしてエンに差しだします
「美味しいよ、エン
食べてみる?」
(興味持ってくれるかな?)
板チョコを、興味深そうに見つめます
コトハは、板チョコを割りエンの口元に
近ずけます
「甘いでしょ」
「うん」
(美味しい、これもっと食べたいな)
コトハは、板チョコをエンに渡します
板チョコを、エンは素早く受け取ります
(これで、少しは仲良くなれるかな)
「エン、さっきも言ったけどね
一人だと危ないよ、
一緒に行こうよ、チョコレートもっと食べれるかもよ」
(チョコレートで、釣ってしまいました
私は、悪い人です)
「コトハ、本当か?嘘つくなよ」
(もっと食べれるのか?
だったら行ってもよいかな)
エンは考え込みます
「あのねエン、チョコは毎日は無理だからね
そこは勘違いしないでよ、聞いてるの?」
コトハは、エンの肩を揺らします
(聞いてないかな、毎日チョコレートは無理だからね)
エンの肩を揺らしていた、コトハは違和感を感じ
後ろを振り向きます
「動くな人間」
エンを見ると、跡かたも無く消えさってました
コトハは、目の前の現象に声を失います
立ち去ろうとする、精霊を見つめます
(落ち着かなきゃ、ビビってはいけません
大きな声で)
「待ちなさい、何をしたのか分ってますか」
「力の無いもの者を、消滅させただけです
それだけです」
コトハは精霊を強く睨みます
「酷すぎます」
「精霊図書館の方が、よっぽど酷いです
精霊図書を集めるだけ集め、そして閉じ込めるだけ
私の一部になった方が、どんなに幸せか、
それに貴方はは、絶対に精霊図書館が正しいと思っていないようですね
迷っているんですよね貴方は」
「だからと言って、同じ精霊図書なのに消滅させる必要が有るんですか」
「人も価値観、考えが違うように
精霊図書も様々なんですよ
私は力を求めているんです
それに精霊図書の力を奪いましたが
完全には消滅していないのですよ
時が経てば回復するんですから、問題ありません」
「しかしです、回復しても記憶は無くなります
以前の所有者との記憶が
大切な記憶が」
「お話にならないですね、何時までも付き合えません
失礼しますよ」
コトハは、魔力を放出し警告します
「待ちなさい、まだ話は終わっていません
精霊図書損壊の実行犯である、貴方を拘束します」
(どうしよう、このままでは何でも良いから
足止めしなきゃ)
「しつこいですよ、足も声も震えていますよ
心に迷いが有る貴方に、私は止められないですよ
そうでした、まだ名乗っていませんでしたね
私はミレアといいます、貴方の名を聞いておきましょうか」
「私は精霊図書管理員、ゲルク・コトハ・マリアです
動かないでください」
コトハはミレアに氷の矢を放ちます
(足止め出来れば)
ミレアの体を通過します
コトハは言葉を無くします
「なぜ、こんな事有りえない
なにかしらの現象が起こるはずなのに」
ミレアはコトハを、後ろから抱きしめます
首に、指を食い込ませます
「コトハ、貴方を傷つけないように黙っていたんだけど
教えてあげましょう真実を」
コトハは体が震えます
(何時の間に、回り込まれたの?)
「なにを言おうと言うんですか、貴方は」
「精霊であるエンを、消滅させたのは貴方自身よ
私は貴方の、もう一つの意思
良く見なさい、これを」
コトハとミレアの間には、魔法の繋がりを示す
パスが心臓に繋がっているのが、ハッキリと存在し目で認識できます
(なんで、繋がってるの?パスが何故)
「嘘です、さっきまで無かったです」
コトハの心臓は鼓動を早めます
「認めなさい、コトハ
先ほどの氷の矢が、すり抜けたでしょ
そしてコトハと私を繋げるパス
この事がらを、考えてみなさい」
(考えが纏まりません、意味が分らない)
「離して」
ミレアから、距離を取るコトハ
「貴方が、初めて精霊図書の精神世界に飛び込んだ時
私は生まれた
精霊がコトハを攻撃しようと時に
貴方は無意識に、私を読んだのよ心の底から
力を欲したのよ
ただ私は、コトハの求めに応じて邪魔な精霊を取り除いてあげただけよ
覚えているでしょ
コトハは、精霊図書の精神世界に飛び込んだ後は
記憶が曖昧なんでしょ」
(本当だけど、確かに記憶が曖昧だけど)
「そんな事はないです、教官が言っていました
精霊図書の精神世界に、慣れれば大丈夫だと」
「精霊図書管理委員会は、貴方の力
つまり私の事を知っていたのよ
なんで、貴方だけ1年近く
配属が遅れたの?
それはねコトハの力が暴走しないか観察していたのよ
そして安全だと判断した
私はコトハを傷つけない、いえ自分自身であるコトハを傷つけられないから
精霊管理委員会は貴方を利用しようとしているのよ
私と一緒に此処にいましょうよ
此処に居れば、精霊管理委員会に利用されないわ
精霊図書の精霊を、傷つけないで済むのよ
貴方は、心の底では戦闘なんてとても出来ないと思っているのでしょう
精霊図書を狭くて暗い、精霊図書館の奥に閉じ込める必要は
しなくて良いのよ」
ミレアはコトハを優しく抱きしめます
(私は、これは本当の事なの?
精霊図書管理委員会に利用されてるの?
ここに居れば、精霊図書を傷つけない
でも私はどうすれいいの?)
「コトハさん、コトハさん」
コトハは目を開けます
カガミ参事官が運転する車に乗っていました
(良かった、状況が分らないけど
どうして、カガミ参事官が?)
「大丈夫かい?今精霊図書館に向かっているから
安心しなさい、これを使いなさい」
カガミ参事官は、コトハにハンカチを差し出します
「あの、私は?そうだ精霊図書はどうなりました?」
「安心していいよ、バッチリ回収出来てるよ
火の精霊図書は無事に回収出来てるよ
この通りね」
カガミ参事官は、鞄を指で差します
「納得してない顔だね、君と精霊図書を部屋から回収したんだよ僕が
コトハさん、君は火の精霊にチョコレートを渡したよね
この時点で既に、精霊図書は回収出来ていたんだよ
精霊図書に気に入られていたからね
ちなみに、その後の記憶である悪夢は
精霊図書が、君をもっと知りたいが為に見せた悪夢だったんだよ
コトハさんがミレアを生みだしたとか
精霊管理員会がコトハさんを利用するとかね
精霊図書は、人の弱い部分を心から引きずり出すんだよ」
(良かった悪夢で、本当だったら怖いし
どうすれば分らなかったし)
「そうなんですか、とにかく回収出来てよかったです」
「そうだね、コトハさん」
カガミ参事官が、運転する車は精霊図書館に向かいます
お疲れ様です、この先どうなるのでしょか?
失礼いたします