恋の相手はおじさま店長~わたしの気持ちに答えてください~
「莉子!」
教室の自席でうたた寝をしている莉子がはっと目を覚ます。
朝生拓斗がご機嫌に莉子の周りをうろつく。
「もう授業終わったよ!莉子、今から新しいカフェ行かない~?」
「私、これからバイトなの」
急いで学生カバンを背負い、教室を出る莉子。
道行く道中、莉子は腕時計を見て「もう大丈夫か」とスピードを緩め歩き出す。
坂道を上がった先にあるコンビニに入る莉子。
莉子は客が会計しているレジを横目にバックヤードに行く。
モニター画面の前の机に店長が座っている。
「お疲れ様です」
「お疲れ。もしかしてまた、走って来たの?まだ早いから大丈夫だよ。今度からゆっくり歩いておいで。学校生活も大事だろ?」
好きだ。
伝えたい。
でも、私はまだ高校生。
気持ちを伝えることでからかってるのかとか思うのかな。
でも……店長なら……。
店長の笑顔を見つめる赤く頬を染めた莉子。
「…好きです」
「ん?」
「私、店長のことが好きです」
「え…ありがとう!」
これはなんだろうか。
スルースキル?
もしかしてちゃんとした告白だと思ってくれてない……?
顔面蒼白の莉子。
莉子、何も言わず自分のロッカーの元に行く。
店長、眉を上げて莉子を見る。
ロッカーから取り出した制服を着て売り場に行く莉子。
パートの洋子と代わる。
美和が後からやって来る。
「今日もよろしくねー」
「うん……」
「あれ?なんか元気ないね?」
悲しそうに笑う莉子。
バッグヤードでモニターを目を凝らして見る店長。
洋子は愛想笑いをしながら店長に近づく。
「店長、それじゃ女子高生好きのおっさんじゃないですか」
「だよな」
バッグヤードから立ち去る洋子。
「女子高生か……傍から見たらせいぜい援交か親子だよな。でも……」
店長が呟く。
終始暗いまま莉子が売り場からバッグヤードに戻って来る。
「店長……さっきの本気です」
「うん。お前の様子で伝わったよ」
「じゃあ真面目に考えてくれたんですか」
「じゃあ友達からよろしく」
肩を落とした莉子。
「友達からですか?本気で考えてくれたんじゃなかったんですか!?」
「考えたさ。お前は17才俺は45才。お前が20才になっても俺への気持ちが変わらなかったら俺もちゃんと気持ちに答えるからそれまでは準備期間にしてくれ」
莉子は動揺しながら答える。
「はい。約束ですよ」
「ああ、約束だ」
店長は莉子に手を差し出し握手をする。




