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君が神様になるまでの46の嘘。  作者: mr.iwasi


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18.終焉を喰らう者

ラボの天井が、巨大な質量によって押しつぶされる。

 龍馬は手元に掲げた漆黒の「ブランクカード」を見つめ、陶酔したように笑った。


「見ていろ、栞君。これが宇宙の摂理、完全なる進化だ」


彼はカードを自らの胸へと突き刺した。

 瞬間、ブランクカードが膨大な情報量を飲み込み、空を覆っていたアダバイスの本体が、一筋の光となって龍馬の肉体へと収束していく。


肉体は肥大し、無数の瞳と触手を纏った異形の神格へと変貌する。

 【アダバイス・レギオン】。

 龍馬の意識と宇宙の捕食者が完全に融合し、世界を素材として直接加工する権能を手に入れたのだ。


【玉木隼人の視点:覚醒病の果て】

ラボへ辿り着いた俺の視界は、すでに真っ赤に染まっていた。

 全身の血管が浮き出し、皮膚が内側から弾けるような激痛。

 覚醒病。

 カードの過剰な同期と、龍馬への殺意が、俺の肉体を限界まで侵食していた。


「……はは、これが『病』かよ。最高の気分だぜ」


俺は血を吐きながら、手元のレッドドラグーンを見つめた。

 カードはもう、本来の姿を留めていない。

 俺の「死」を燃料に、この世界のすべてを道連れにするような、どす黒い輝きを放っている。


「栞……ごめんな。約束、守れそうにない。……でも、こいつだけは絶対に連れて行く」


【変貌:アルティメットカタストロム】

俺はカードを握り潰した。

 瞬間、覚醒病が臨界点を突破し、俺の肉体が崩壊と再生を繰り返しながら巨大な「影」へと姿を変える。


「……あ、あああああああッ!!!」


背中から噴き出したのは、翼ではなく、世界を焼き尽くすための断罪の炎。

 漆黒の鎧を纏い、龍をも超える破壊の化身。

 【アルティメットカタストロム体】。


それは英雄の姿ではない。

 龍馬という悪夢を終わらせるために、自ら悪夢となった「破滅の王」の姿だった。


【激突:神と悪魔の共鳴】

神と化した龍馬の触手が、空間そのものを切り裂きながら襲い来る。

 対する俺は、一歩踏み出すごとにラボの床を原子レベルで消滅させ、拳を叩き込んだ。


「無駄だ、玉木隼人! 君はもう人間ではない。その力を使えば使うほど、君の存在自体がこの宇宙から抹消されるのだぞ!」


「構わねえよ! お前をぶっ殺せるなら、地獄の果てまで付き合ってやる!」


二つの巨大な質量が衝突し、余波だけでロストナイトの結晶が粉々に砕け散る。

 銀色の瞳で呆然と見上げる栞の目の前で、玉木は一振りの「死神の鎌」となり、龍馬の肉体を削り取っていく。


46回のループの果てに辿り着いたのは、奇跡の救済ではない。

 「共倒れ」という名の、あまりにも凄絶な反逆だった。

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