表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48時間後に君は死ぬ  作者: 蜃気羊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/84

79



「美味しい。最高」

 私はドゥーブルフロマージュを一口食べたあとそう言った。ドゥーブルフロマージュを口に入れた瞬間、とろけてミルクの甘さが口いっぱいに広がった。ゆっくりそれを噛むと、レアチーズの甘さとベイクドチーズの酸味、風味が口の中で立ち、それだけで幸福な気持ちになった。 

 病院からルタオのカフェまでタクシーで移動した。病院は思ったほど、離れていなくて、ワンメーターで行くことができた。カフェの中はほとんど満席に近かった。私と志度は窓側の4人席に座っている。テーブルの上には白いお皿に乗ったドゥーブルフロマージュ2つとコーヒーとカフェオレが並んでいる。


「やっぱ、何回食べても美味いわ」

 志度はそう言いながら、フォークでドゥーブルフロマージュを掬い、口の中に入れた。しばらく、私と志度は黙々とドゥーブルフロマージュを食べた。さっきの事故なんてまるでなかったかのように食べ続けた。私と志度はほぼ、同じくらいに食べ終わった。ドゥーブルフロマージュを食べ終わって、志度を見ると志度は微笑んだ。

「美味しかったね」

 志度はそう言ったあと、コーヒーを一口飲んだ。


「うん、最高だった。あそこで帰らなくてよかった」

「やっぱり、小樽に来たら、これ食べて帰らないとね。後悔するよ」

「だよね。――事故からのギャップがヤバいね」

「あぁ。死ぬかと思った。マジで。ホント、殺しにかかってるよな。俺たちのこと。――こういうのお祓い行ったらどうにかなるのかな」

「お祓いでどうにかなったら、私達のどっちかが、死んでないよ。たぶん」

「そっか。多分、今日って、最高に不運な日なんだろうな。だって、こんだけ事故りそうになるんだよ?」

「もう、一回、事故ってるけどね」

「あ、そうだった」

「――ねえ、痛い思いさせて、ごめんね」

「ううん。日奈子が無事でよかった」

「結局、志度は私のこと守ってくれたね」

「――当たり前じゃん。日奈子のこと、守り抜くよ」

「――志度」

「なに?」

「死なないでよかった」

 私はそう言ったあと、また涙が溢れそうになった。だけど、口をつぐみ、力を入れ、泣くのを我慢した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ