78/84
78
結局、私と志度が病院に運ばれて、病院を出る頃には、時計の針は15時を回っていた。本当はルタオでケーキを食べるはずだったのに数時間を病院で過ごしてしまった。病院を出るとすでに日はオレンジ色になっていて、あと1時間もすれば日没が訪れる弱々しい太陽だった。冬至前の寂しい感じがすでに出ていた。
「志度、そういえば、今日、バイトなんじゃないの?」
「いいよそんなの。怪我もしてるし。さっき、電話したんだ。日奈子がトイレ行ってる間に」
「そうだったんだ」
「こっちはさ、怪我してるのにめっちゃ怒られたよ。オーナーに。俺に何時間働かせる気なんだって言われた。俺のことコマとしか思ってないよな。普通、大丈夫? とかさ、なんか嫌になっちゃうよね」
「えー、酷いね。上司に恵まれてないね」
「まあね。ってことで、仕切り直しにルタオ行こうぜ」と志度はそう言って、ニコッと笑った。




