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一日中、寝転がっていたら、あっという間で、簡単に休日が終わろうとしている。
志度が死んでから、私には何も無くなってしまった。
しばらくの間、誰になにを言われても温度を感じることができなくなった。
志度が死んだのは高校2年生のときだった。
クリスマス前でみんな、浮かれている時期だった。志度は私と学校に行くのに私のことを待っていた。いつもの待ち合わせ場所で私を待っていただけだった。そして、そこにたまたま車が志度の方へ突っ込んできた。
志度は私を待っていて死んだという事実を受け入れることが出来なかった。しかも、その日、私は寝坊して、いつもより10分も遅れてしまった。だから、志度は私が寝坊しなければ、あんな場所にいるはずなかった。なのに、私がその状況を作ってしまったんだ。もし、私が寝坊しなければ、志度は生きていたのかもしれない。私が志度を殺してしまったのかもしれないと今でも思っている。
そのまま、急かされるように3年生になり、何もない夏を過ごし、それなりに勉強して、札幌のそれなりの大学に進学した。その間も志度は高校2年生のまま、なにも変わらなかった。
「もし」なんて存在しないことに散々悩まされた。
結局、志度との思い出は夢だったんだ。志度のことを考えるたびに頭の中でぐるぐると思考が回る。よく、死んだ人はずっと自分の胸の中で生きるって言うけど、それは嘘だ。
生きてるわけではないし、死んだという事実だけが残る。胸の中で志度が生きているなら、私はとっくにこんなモヤモヤした気持ちなんてなくなっているはずだ。だけど、そんな状況には絶対にならない。だって、私の胸の中で志度は生きていないから。
志度が死んでから私はなにもしないことを心がけるようになった。
そうして、私はどんどん自分を削ぎ落としていった。やっぱり、優には悪いけど、私、志度が死んだあのときから、私の人生は終わってしまったのかもしれない。
――別にもう、死んだって後悔ないかも。
優にこんなこと言ったら、なんて言ってくれるんだろう。もしかしたら、相談に乗ったつもりで、自分の話しかしないのかもしれない。




