前へ目次 次へ 63/84 63 寒い。ものすごく寒く感じる。肌をさすような冷たさだ。私はコートを着ていた。袖を見ると黄色だった。私は、白い道で立ち止まっていた。降ったばかりの凛とした雪の匂いがした。抱えていた白いバッグの中身を確認した。財布と携帯、ポケットティッシュが入っていた。 携帯を取り出し、時間を確認した。12時過ぎだった。メッセージの通知があった。メッセージは志度からだった。『ヒロシ前、着いたよ』という文面が表示されている。 私は慌てて地下鉄の駅まで走った。