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家に着いたのは19時すぎだった。列車の中でも眠ることが出来なかった。こんなに疲れているのに、二泊三日の間の平均睡眠時間はきっと4時間くらいだ。
外着のワンピースのまま、ベッドに寝転んだ。白色のシーリングライトは今日も丸く、眩しかった。
「楽しかった」
ぼそっと言ったけど、何もおこらなかった。左手を上げて薬指についているリングを眺める。ライトに反射して、ダイヤはキラキラしている。
優はあのやり取りのあと、札幌までしっかりと眠っていた。結局、優はこの旅行中に私が不眠症であることに気が付かなかった。
きっと、これで正解なんだ。悪いのは私自身だ。なんで、いまさら志度と比べてしまうのだろう――。
あのときは高校生で大人になった今と比べるような恋愛を志度とはしていない。だけど、志度のほうが私のこと見てくれていたような気がする。
大きくため息を吐いたあと、私は起き上がり、靴下を脱ぎ始めた。
☆
一週間、働いた。
別になにもない一週間だった。職場で優と会って、休憩時間を合わせて、パン屋のカフェコーナーでお昼ごはんを一緒に食べた。
いつもと変わらない一週間だった。いつものようにクタクタに疲れ切って、帰ってきても、気持ちは何も満たされる気配はなかった。
プロポーズされたら普通は幸せいっぱいのはずなのに――。
なんで私だけ、こんなんなんだろう。
――志度。君の所為だよ。




