表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48時間後に君は死ぬ  作者: 蜃気羊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/84

43



「ごめん。昨日から泣いてばかりだね」


 私は感情の波がおだやかになってからそう言った。

「いいよ。泣けよ。泣きたいときに泣かないヤツは損するよ」

「あ、ズルい。自分は我慢して泣かないくせに」と私は笑ってそう言った。口角を上げたら、まぶたが腫れぼったくなっているのがわかった。

「日奈子のハイボール、もう氷溶けて薄まってるよ」と志度はそう言ったあと、ハイボールを一口飲んだ。

「私ね。ずっとこうしたかったの。志度と。ずっと、こうして話したり、一緒にいたかったの。ずっとね」

「俺もだよ」

「私ね、相談したんだ。苦しくて。そしたら、その相談した人が自分で道を切り開くしかないって言うんだよね。厳しいよ。――私だって、抗いたいよ。私だって。今までのことなんてどうでもいいから、今を生きたいよ。私」

 私がそう言ったあと、しばらく沈黙が流れた。志度は黙って、私の次の言葉を待っているのがわかった。

「もう、戻りたくないよ。志度。ねえ、離さないって言って」

「離さないよ。日奈子」

 志度はそっとした声でそう言った。私はそれを聞いたあとテーブルに突っ伏した。セーターの袖はすぐに涙で滲みた。吸い込まれそうな腕の中の暗黒は、私の意識が現実なのか仮想なのかわからない心地よさを誘った。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ