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車もまばらな静かな夜だった。時折雪がちらつき、寒かった。きっと気温は氷点下だ。顔に触れている外気は凛として冷たかった。志度はバイト前に家に帰っていたのか、服は制服から、ジーンズにベージュのダウンになっていた。手をつないでゆっくり歩いている。もう、ずっとこうしているだけでいいやと私は思った。
「なあ、日奈子」
「なに?」
「俺も会いたいって思ってたんだよ」
「私も」
「じゃあ、両思いだな。今日はそんな気分だったよ。一日」と志度が言ったあと、私は立ち止まった。
「志度、これだけは言わせて。あなたは私にとって、とても必要なの。ずっと好きだから。ずっと」
私がそう言っている途中で志度が私を抱きしめた。一瞬、時が止まったかと思った。鼓動が徐々に大きくなっていく。私も両手を志度の背中に回した。
「――日奈子。ずっと、一緒にいよう」
背中で感じる志度の両手は暖かく、顎を当てた肩は硬かった。




