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志度を実家に招き入れた。私は家に着いてほっとした気持ちになった。志度をリビングに通し、ダイニングテーブルの椅子に座るよう私は志度に伝えた。
「お腹へったでしょ」
私はかばんから弁当を2つ取り出し、テーブルの上に置いた。
「お、なにこれ。美味そう」
「今、温めて来るね」
私は弁当を2つ持ち、キッチンへ向かった。弁当をレンジで温めた。弁当からはコチュジャンのいい香りがした。2つの弁当を温め終え、1つの弁当を志度の方へ持っていった。
「はい、どうぞ。本当は学校で食べてもらおうと思ったけど、まさかのうちで食べることになっちゃったね」と私はそう言いながら、テーブルに弁当を置いた。
「やばい、めっちゃいい匂いする」
「やばいでしょ。これ」
私はそう言いながら、もう一度キッチンへ行き、自分の弁当を持ってきた。テーブルに弁当を置き、私は志度の向かい側に座った。私はいただきますと言い、両手を合せた。志度もいただきますと言った。
志度は割り箸をわり、弁当の蓋を開けた。
「なにチキン?」
「ヤンニョムチキン。美味しいよ」
「自分で美味しいって言うなら、絶対美味しいな、これ」と志度はそう言いながら、箸でヤンニョムチキンを取り、一口食べた。
「うっま。なにこれ」
「でしょ。私の絶対うまい料理」
私もヤンニョムチキンを箸で取り、一口頬張った。志度はそのあと、無言で弁当を食べ進めていた。私もあまり話さずに弁当を食べた。
「いや、うますぎだって。日奈子。やばいな」
「嬉しい。――志度に食べてもらいたかったの。ずっと」
「なんでもっと早く食べさせないんだよ。めっちゃうまいわ」
「ありがとう」と私はそう言った。志度は頷きながら、弁当を食べていた。
「なあ、日奈子。これ、昨日帰ったあと作ってくれたんだろ?」
「そうだよ」
「最高だな」
志度はまた弁当に箸をつけて食べた。




