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48時間後に君は死ぬ  作者: 蜃気羊


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 今日も仕事を休んだ。今日も身体が痛いことにした。


 志度には夢ですら会ったことがない。今日もお風呂をいれることにした。バスタブを洗い、蛇口を捻った。


 最後があまりにも日常的だった。だから、志度と最後に交わした言葉は「バイバイ、また明日ね」だった。

 デートし終わって、次の日、一緒に学校に行くことになっていたんだから、当たり前だ。映画みたいにロマンティックに愛を伝え合ったり、感謝の気持ちを伝えたり、別れを惜しんだりすることなく淡々と終わってしまった。事故は日常がこのまま続くと思っているときに起きる。きっとそういうものなのだろう。

 志度の葬式では絶対に泣かないことにした。棺に入った志度は寝てるみたいだった。志度の寝顔を初めてみた。志度との恋が続いて結婚していたら、志度の寝顔は見慣れた姿になっていたのだろう。

 そんなこと、そのときは思わなかった。

 そもそも、17歳だったから、まだ結婚を上手くイメージすることができなかった。


 買った入浴剤を入れているプラスチックのかごから、青色のバスボムを手にとり、浴室に入った。湯船をみるとまだ半分もお湯が溜まっていなかった。私は裸になり、バスボムのビニールを開けた。

 そして、そっと湯船にバスボムを入れるとお湯が水色に染まり始めた。それと合せてシトラスの香りがした。


 もし、志度が今も生きていたらどうなっていたのかな。今頃、結婚していたかもしれない。志度のために晩ごはんを作って、どこかに働きに行く志度へ弁当を作っていたかもしれない。

 もしかすると、なにかあってすでに別れていたかもしれない。

 

 だけど、もし、志度が生きていたら、私は志度をどれだけ愛することができていたと思う。

 今、優のことを本当に心の底から愛しているのかどうかわからないように、志度を心の底から愛することができるのかな――。

 

 志度の記憶は日に日に遠のいていっている気がする。年々、志度の声を思い出すことも難しくなってきているし、私の脳内での志度の表情は徐々に動画から静止画になっている気がする。その静止画もやがて画素数が荒くなり、そのうち消えてしまうのだろう。それが0になったとき、思い出すことはほぼ困難になるのだろう。





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