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このベンチで志度にキスされたことを思い出して、身体が少しだけ火照った感覚がした。今はクリスマスではなく、真夏だ。しかも10年前でもない。私は、もう一度志度にキスされたいと思った。手だって繋ぎたいし、とにかく志度に会いたい。
――なんで、私だけ、ひとりぼっちで置いてけぼりにされたんだろう。
私も、死んでしまって、あの世で志度ともう一度会いたい。志度の優しさに触れたいし、志度と何気ないことを離したり、ただ、のんびりと一緒に過ごしたい――。
本当はあのとき、志度が死ななければ、志度ときっと永遠に過ごすことだって出来たんだ。
――きっと。
志度と永遠に過ごすことができそうって予感を感じたのは夏だったことを思い出した。
ちょうどこの時期だ。
あの夏は今年の夏みたいに暑くなく、爽やかで過ごしやすい夏だった。夏休みに入ってから志度としょっちゅう遊んだ。
その日は、JRに乗って、小樽に遊びに行った。JRの車窓からはキラキラと光る海や、ゴツゴツとした岩場に波が穏やかに打ち付けているのが見えた。小樽に着いて、すぐに二人ともお腹が減ったから喫茶店に入って、モーニングセットを食べたことがあった。




