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7 リベラル
僕の生活は一言で言うと’’自由’’だ。どっちかというとフリーよりもリベラルに近い。フリーというのは積極的な自由だが僕の自由は受動的だ。僕自身は世間で言うところの自由を欲していない。だからこのライターという職業に就いているわけだがどうやら僕の性格は僕の理想と反しているようだった。
記事を書き終え1ヶ月ぶりの外に出てみると空は灰色だった。鬱陶しい太陽の光を浴びずに移動し、なにか記事になるようなネタを探していた。結構ネタは日常に潜んでいるものなのである。後ライターに必要なのは感受性と締め切りを守る心構えだけだ。考え事をしながら歩いていると後ろから音が聞こえた。
「あの、これ落としましたよ。」
綺麗好きな僕が持っていたハンカチが少し汚れていた。それを人が持っていた。その人は何かに気づいたような顔をして再度口を開いた。
「あ、あの、何だっけ...そうだ!小学校の同級生じゃない?僕達。」
「そうだっけ?」
「覚えてないの〜、心外だなぁ〜」
(まじで誰だこいつ)
僕のことを覚えているなんて物好きだなと思ったと同時に相手の腹の底を疑っている自分がいた。




