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11 信用
遊ぶとはいつぶりだろうか、それも他人と。ライターの仕事というのは一人でできてしまうから他人との関わりが少なくていい。それが居心地良かったが世間から見ると可哀想だという見方になるだろう。
遊びに行くと言っても日程だけ決まった無計画な遊びだ。僕から遊ぶ場所を提案することもできなかったし相手も遊ぶ場所が思い浮かばなかったのか、それとも僕が誘ったせいでこっちに計画があると思い込んだのだろうか。待ち合わせの駅に待ち合わせの時間通りにつくともう氷室はいた。帽子を被りジャージ姿というなんともラフな格好でコーヒー片手にスマホの画面を見ていた。僕が声を掛けるとイヤホンを外してどこに行くの?と聞いてきた。どうやらあちらの考えは後者だったようだ。無計画とは言えないので散歩というちょうどいい言い訳をして新宿の町を散策しているとボーリングやカラオケなど学生向けの遊戯施設が目に入る。目に入るだけで言及はしない。相手が行きたいといったところに行くのが僕にとって最善なのだ。
風船のように場の空気に流されながら生きてきた僕にとって僕の意見は他人の意見と同じだ。だから自分が行きたいところも他人が行きたいところと一致させてしまう。だから氷室がゲームセンターに入りたいといったとき僕の心は躍った。




