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人間腐心  作者:
1/11

1 人間腐心

 テレビを付けると深夜のニュースが始まっていた。

どうやら世間の関心は政治に向いているようで、裏金事件が発生した直後の選挙で与党が議席を取れるかという報道をしていた。偉そうな白髪の人物とメガネを掛けた細身の男性がゲストとして座っていた。TVアナウンサーは専門家の二人に話を振った。なるほど、彼らは専門家らしい、各々から同じような言葉がつらつらと語られる。テレビでは当たり前のことだが専門家の意見は対立しない。特に政治ともなれば考え方は千差万別なのに。そんなことをぐるぐる頭に巡らせたあと僕は豪快にそっとテレビを消した。

 次の日の夜、食わず嫌いはしたくないので外に出てみた。久しぶりの外は薄暗かったが都会特有のギラギラしていて色が不揃いな電灯が僕を照らしていた。僕はその電灯にこの街に似合わないなという感想を抱いた。

 その後家に帰った。帰りの電車は仕事帰りのサラリーマンでごった返していた。僕も昔はこんな顔をしていたのだろう、戻りたいと思ったこんなふうにはなりたくないと思った。僕達は所詮社会の歯車に過ぎない、そのことを自覚させられた。結局話題の政治家がどこに来てるとか選挙運動がどこでやってるとかそんなことは調べていなかったので昨日の違和感を晴らすことはできなかった。そこに僕がこのような状態になった原因があるのだろう。



 

※今回が初投稿になります。まだまだ未熟者ですがよろしくお願いします

※なろうには珍しいファンタジー色皆無な作品です。好みがあるかとは思いますが何卒読んでくださると幸いです。


 

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― 新着の感想 ―
独特の空気感がすごく好きです。 専門家の意見が対立しないテレビへの不信感や、サラリーマンを見た時の「戻りたい」「なりたくない」という矛盾した感情など、読んでいてハッとさせられる表現が多くありました。 …
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