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1年生 春

私は【カレ】を探しています。

ですが、私は【カレ】のことを忘れかけています。

そこで、ここに文章として残すことにしました。

私はまた、【カレ】に会いたいです。思い出したいです。

でも【カレ】の名前も顔も忘れかけています。


これから記すことに心当たりがある、

多分【カレ】のことだろうと感じた方は、

以下の連絡先にて、ご連絡ください。


aiueo1234(at)example.com


今回からただ思い出を書き連ねていきます。

少しでも皆様にイメージしやすくするように、小説っぽく書いていきます。敬語が極端に無くなりますので、気分を害してしまうかもしれません。

本当にごめんなさい。

それが大丈夫な方は、私の仮説であり、思い出を読み進めていってください。




まさに曇天だった。白のソメイヨシノ、桃色の八重桜はおせっかいだ。たくさんの花吹雪で私たちを祝っているが、私たちの気持ちなど分かっていない。それに比べて、空は私たちを分かっている。全く、見習ってほしいものだ。

風が吹くと少し肌寒く感じる………いや、これは風のせいなのだろうか。それともこれからのことについて、私の本能が何かを訴えかけているのだろうか。

わからない。

わかるのは、私の肌はブレザー越しにぶつぶつと鳥肌を立てているということだ。



入学式も無事に終わり、保護者たちと別グループになり移動する。これから私たち1年2組は、1年間お世話になるクラスへ、初めてお互いの顔合わせをする。


……といってもほとんどの人はマスクをして、相手のマスクの下の顔を想像しながら自己紹介をしていく。

いつものことだ。

ふむふむ、彼の名前は青木さん。次の人は伊東さん。次の彼女は……ウラノ?ウラト?まあ、ウラ何とかさん。


彼女のように、聞こえてほしいのかほしくないのかわからない人がいる。マスクの恩恵であり、弊害だ。

全く………


親近感しかない。よし。ウラ何とかさんと友達に……


あー。もう私の番か。


とりあえず好きなことをみんなに合わせて、この場を乗り切ろう。

カラオケとかでいいか。べつに好きではないが嫌いでもない。

私は最後の番なのだからカラオケなら誰かと被っているだろう。ただ、被った人が本当に心からカラオケが好きだったとき、私はその人に無礼なことをしてしまうことになる。…………が、まあいいだろう。そんな人存在しないだろう。それよりも………

みんな私の顔について、どのような考察をたてているのだろう。美人のように感じている人はいないだろうが、ブッサイクだと感じている人も…………いない……よね?

うん。いない。そうに違いない。そうでなければ私はあの両親から本当に生まれた子なのか疑問に思ってしまう。


私はテキパキと、波風立たないように自己紹介を終わらせた。どうせ誰もこの場面で興味など持たない。


友達を作るにはきっかけがいる。私は今までそのきっかけを持っていた。その結果私はこれといって仲がいいと本当に思える人に出会えなかった……

やはりつくりにいかなければ…!自分から行動せねば…!


そのきっかけづくりに今回の自己紹介は大事ではない……!

なぜなら、あとから「あーそれ私も知ってるー!」と言えるからだ…!


ふふふ…では必ず来週……いや、できたら来週、早速実践するぞ…!



曇天の空に、いくつか陽の光が差し込んでいる。

今ではソメイヨシノや八重桜のおせっかいなお祝いにも喜べる。いつの間にか鳥肌も収まり、寒気を感じなくなった。


………………………



……うそだろ。 え?


私はいつの間にか数週間後にタイムスリップしたのか?

なぜみんなこんなに早く仲良くなっているんだ…?


日付を確認する。


間違っていない。次の週の月曜日だ。

学校2日目だ。 午前に終わる日で、教科書をもらい名前を書き、再来週の遠足の話を聞く……そういういつもの2日目……

なのに……なのに……どうして………そんな早く………



帰り、雨が降り出した。

ザーザーではない……小さい折りたたみ傘でも濡れないようにできるくらい、なんとかなる雨だ……これぐらいなら濡れても全然なんとかなる…………

なんだっけ……雨は蕭々と降っている…だっけ……


私は現実ともに、優しいのだがキツイようにも感じる雨に包まれながら、マスクを外し、気持ちとは少し違う顔……そう…真顔で帰っていく……

全く気にしていないように見せた……誰にも見せるわけでもないのに……


雨音がしない分、遠くから楽しそうに帰る笑い声が聞こえる……

遠いはずなのに…近くで哀れな自分が笑われているようにも感じる………


ん?いや、笑われている…?


私はフッと後を振り返った。


そこには私と同じ制服を着て、同じ色のネクタイをした、背の低い、金色の髪の……女の子…?いや、男の子…?あーもう。黒色のマスクが邪魔だ。ちゃんと顔が見たい。

おそらくこの人は、サン・テグジュペリの星の王子さまのように美しい人なのだろう。想像するしかないが、それほどキレイだ。大きな黒い傘を持っている。


………………え?

なんで私はそんなことを思ったんだ?


ん゙ん゙………と、とにかく、そんな人が私を見ながらニヤニヤと、ときどきケタケタとマスク越しでもわかるくらい笑っている。



なんなんだコイツ……同じ色のネクタイってことは同じ年ってことだよな……あと傘大きいな……


「キミ、なんで傘さしてないの?(笑)風邪ひくよ?(笑)あ、もしかして傘忘れたのぉ〜?(笑)

あ、僕の傘が大きいからって、入れてあげないよ?(笑)」


話す言葉の一文字一文字にイラッとする。

なんだコイツ。前言撤回。全然星の王子さまじゃない。「ムカつくチビだな。」


「はぁ!? チビ!? おいお前!初対面の人に向かってチビってなんだよ!? さすがに心優しい僕でもブチギレ案件だぞ!?」

「おっと、心の声が。口に出てしまったね。ごめんなさい。」

「謝って済むなら警察は要らないんだよ!!」

「ごめんなさい。近くに古い駄菓子屋さんがある。

好きなの奢るよ。」

「そうかそうか君はそういう奴なんだな!お前は本当にいい奴だぁ!!」

チョロ。やっぱり子供だな。

「おいお前、子供って思ったか?」

「いいや?」

「そうか。ごめん。ほら、濡れると風邪ひくぞ?いい奴には風邪ひいたら困る。」

奢ってほしいだけだろ。全く。

「いま奢ってほしいだけだろって思ったか?」

「なんでさっきからほぼ私の心の声読んでるの。」

「あーーー!!やっぱり思ってたんだな!!ん?てことはさっき子供って思ってないってともウソかぁ!?」

「さぁねー。ほら行くよ?好きなお菓子2つ奢ってあげるから。ごめんね?」

「全くしょうがないやつだ!そんなに言うなら奢ってもらうぞ!!はは!(笑)素直に謝れる奴はやっぱりいい奴だ!!(笑)」

「いい奴の基準が全くわからないんだけど…?」

「なんでだぁ?自分の悪いことを素直に認めてごめんなさいできるやつはいい奴だろ。しかもお前は謝れるだけじゃなくて奢ってもくれる!!いい奴に決まってるだろ!!はははは!!(笑)お前面白い奴でもあるんだなぁ!!(笑)とぉっても気に入ったぞぉ!!」

「そりゃあどうも。」

「僕と友達になってくれぇ!!!(笑)」

「えーー!?いきなりすぎるでしょ!?」

「とにかくお前は僕の友達だ!!最高の……」

「…………? 最高の? なに?」

「………………ま、まあ、とにかくいい奴だから!!友達だ!(笑)」




こうして私と【カレ】は出会った。

無理やり友達にされられ、ブタメンを奢らされた。

よりにもよって少し高い駄菓子だ。

少し雨に濡れたが、最終的に駄菓子屋さんを出た頃、

空は少し晴れて、【カレ】の金髪が、ソメイヨシノと八重桜の花びらともにキラリと光り揺れた。

とてもキレイだった。

同時に【カレ】がこう言った。



「また明日なー!」


そこに私は高校生活動における小さな価値を見つけた気がした。



はぁ…

やっぱり子供っぽい……というか子供だったな(笑)


残念なのは、彼の顔も声も思い出せない。

マスクのせいなのだろうか。


だが幸いなことに、【カレ】と桜がコラボした風景は、

今も瞼の裏に残っていた。

*これはフィクションです。

実際にあのメアドが存在するとも思いませんし、本当に連絡する方もいらっしゃらないとは思いますが、

実際に連絡したりしないでください。


あと人生初作品です。


前回話で書き忘れましたが、皆様のご感想を心からお待ちしています。

右も左もわからない完全初心者です……

活動報告もいっちょ前にも書きました……スミマセン。


あ、ご感想お待ちしていますが、誹謗中傷はおやめください?私病みますので。

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