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お願いします。【カレ】を見つけてください。

私は【カレ】を探しています。

ですが、私は【カレ】のことを忘れかけています。

そこで、ここに文章として残すことにしました。

私はまた、【カレ】に会いたいです。思い出したいです。

でも【カレ】の名前も顔も忘れかけています。


これから記すことに心当たりがある、

多分【カレ】のことだろうと感じた方は、

以下の連絡先にて、ご連絡ください。


aiueo1234(at)example.com

2023年4月14日、たしか華金でした。

私はあの日、高校1年生になりました。




コロナもある程度収束してきて、マスクをつけ続けるのも、もう終わりかなと感じてきた頃でした。

実際、政府の方たちが、コロナを第5類に引き下げて、インフルエンザと同じ扱いにすると発表しました。

それを受け、

ある子は、

「私はまだマスクつけるー!だって怖いじゃん?(笑)」


多分この『怖い』は、『コロナが』ではなく、

『自分の顔の印象が、ガラリと変わること』、『みんなと同じような雰囲気にならなくなること』が怖いのだと私は思っています。

どうしてそう思うのかというと、私がそうだったからです。


私は陽キャでも陰キャでもない、所謂無キャでした。

特に好きなこととか得意なことがない。

何者にもなれない。個性がない。

なにも考えて生きていない。

価値がない。

でも、みんなに合わせればなにか価値が生まれる。

私はそうすることにより【友人A】や、【クラスメイトC】になれる。


ですから私は、顔パンツを履き続けました。


ある別の子は、

「僕は外すよ。息苦しいし、メガネ曇るんだよねぇ。大体、マスクなんてあんまり効果がなかったと僕は思うんだよ。ウイルスは、マスクの目に見えない小さな穴よりもっと小さいんだから。(笑)」

と言っていました。


私が思うに、こういうことを言う人間は、

「自分は違う。自分は特別なんだ。周りと違ってちゃんと考えて行動している。はっきり言って、周りに合わせる良さがわからない。そんなことを大事にするやつなんて本当に『アホ』だ。」と思っています。


自分に希少価値をつけたがる人間が、私は大嫌いです。こういう人間は自分がこの世界の主人公、またはヒロイン、もしかしたらラスボスになれるかもしれないと、本気で信じているからです。

こんな事を考えている人間ほど、ろくでもない『アホ』なんです。

先のことを何も考えてないんです。

そんなことをしたら何が待っているのか…知らないんです。

希少価値を求めると、価値がなくなることを……

彼らは知らないんです。


ですが、たしかに、当時の私もかなり『アホ』でした。 

そういう人間が嫌いだからって、もっとちゃんとした理由も考えずに、「マスクをつけないといけない。そうしないと……」と思い込んでいたんですから。



もっともっと深く考えられなかった。

もっともっと自分について知ろうとしなかった。

何も知らなかった。


価値というのは本当はどういうものなのか、何から生まれるのかを………全くわかっていなかった。



いや、今もわかってないのかもしれません。

だってこれは人それぞれの文化や生い立ちや、宗教観や、教育によって形作られるものだからです。

正解はあるはずです。

ただ、正解と思われる仮説が多すぎる。


でも、それでも……私はこれが正解なのだと推したい。

この仮説は私と、【カレ】との、とってもとっても………大切な思い出だから。


他の人から帰無仮説を提示されたとしても……

みんながそれは違うと言われても……


この仮説を、【カレ】を、消したくない。


よってここに、私は価値とは何かの仮説を、【カレ】との思い出とともに提示したいと思います。


ですが、あれから何年も経ちました。

残念なことに【カレ】の顔も名前も忘れてしまいました。

普段、【カレ】と何を食べ、何を話し、何をしていたのか、あやふやです。


ただ、それは些細なことだとも思ってしまいます。

何があろうと、手元にある【カレ】の「ボタン」と、

【カレ】からの学びは、消えないからです。


強欲なことに、私はもう一度、【カレ】から学びたい。

なにかまた、新しいことも学べるかもしれませんし、

忘れてしまっていたことも、また思い出すかもしれないからです。


私は所謂無キャでした。【カレ】は色々な人と関わっていたので、私は【カレ】にとって【友人A】や【クラスメイトC】かもしれません。



……………いや、そんなことはありえませんね。(笑)



私と【カレ】は、生徒と先生であり、クラスメイトであり、親友であるからです。

【カレ】はどんな人とも親友になれる人でした。

元気で、優しくて、聡明(ということにしておきましょう。)で、人当たりの良い、少し子供っぽさがある………最高の親友でした。



そんな【カレ】との思い出で、なにかご存知の方、同じような体験を、した、またはしている方は、

前書きに書いてあった私のメールアドレスから、ご連絡をお願いします。


例えば【カレ】から、自分の弱いところを嘆いているときに、こんなことを言われませんでしたか?


「お前って、たまにヘラるよなぁー。(笑)きもちわりぃー(笑)

……………え?…………………いや、だってお前、何も間違ってないだろ〜(笑)だから、合ってるのに凹むのきもちわりぃーよ(笑)


…アイツもさ?なんかお前のいいところ怒りながらたくさん言ってるのも変だし、お前もなぜかヘラるんだもん(笑)

………もしかして、お前ら仲いい?(笑)ははは!(笑)」


今思えば本当にデリカシーの欠片もない。聡明か怪しいですね。(笑) 聡明じゃなかったかもしれない(笑)


または、私のような無キャで、【カレ】と関わっていた気がする方、こんなこともされませんでしたか?


【カレ】は無理やりあなたの顔パンツを脱がそうとし、ありのままの顔を見ようとする、変態さんではありませんでしたか?(笑)


本当に何をしでかすかわからない人でしたよね(笑)


そんな人間だったとしても………だとしても………


どうしても……どうしても私は【カレ】と再会して、思い出を共有したい。


【カレ】を完璧に思い出したい。



皆さん、どうか、ご協力お願いします。


*これはフィクションです。

実際にあのメアドが存在するとも思いませんし、本当に連絡する方もいらっしゃらないとは思いますが、

実際に連絡したりしないでください。


あと人生初作品です。

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