5 相談
翌朝、スマホを確認すると京香から連絡が来ていた。
『先に学校に行きます』
…確かにキスしようとしたけどさ…。
スッキリしない気分で身支度を整え学校へと向かう。
「あれ?今日は一人なのか?」
「ああ。ちょっとな…。」
クラスの友人が心配そうに声を掛けてきた。
「何かあったのか?」
「まぁちょっとな…。」
「何だったら相談乗るぞ?」
「…わかった。ちょっと聞いてくれるか?」
これまでの経緯を話した。
「…そんな事になってたのかよ。生徒会長の野郎ろくでもねぇな。けど、須藤さんもちょっとなぁ。」
「そう思うか?」
「当たり前だろ?それが普通だと思うが。彼氏と友達と扱いが一緒なら不安にもなるだろ?」
「でも、キスしようとしたのは失敗だったかな?」
「まぁそれは須藤さんがどう思ってるのかわからんけど、キスもダメってのはうーんってなるな。」
「そうなんだけど、京香の両親が厳しいのは本当なんだよ。」
「須藤さんも悪気はなかったのか…?に、してもだ。やっぱり明に対する思いやりに欠けるような気がするな。」
「うん、そこが気になるんだよ、どうしても。」
「どっちにしろ、ちゃんと話すしかないんじゃね?俺はこう思っててキスしようとした、ごめんって。」
「そうだよな…。」
「…好きなんだろ?話を聞いてると明がしっかりしないとダメだと思うぜ?元気出せよ!」
「ありがとな。少し気持ちが軽くなったよ。」
「それならまぁ良かったな。今日明は塾だろ?」
「あぁ、だから今夜塾から帰ったら京香とまた話してみるよ。」
「おぅ、頑張れ!」
ありがたいな。多少口は悪いが、いいヤツだな。
その後塾で授業を受けていると例の友人から連絡が入った。
『俺のダチから今聞いたんだが須藤さんと生徒会長一緒に帰ったらしいぞ。今塾か?』
友人からの連絡を見た瞬間嫌な予感がして、塾から飛び出した。
京香…。なんで…。クソっ!何事もなければいいが…。
電車に乗りながら友人に返信する。
『今京香の家に向かってる。知らせてくれてありがとう』
『わかった。俺も気を付けとけばよかったな。すまん。』
『いや、知らせてくれただけでもありがたいよ。』
『あぁ、それよりちゃんと話し合えよ!』
『ありがとう』
駅から走って京香の家へと向かう。
京香の家の前に2人の人影が見える。
京香と生徒会長?!あの野郎!
2人に向かって走り出して京香の名前を呼ぼうとした瞬間。
生徒会長が京香を抱き寄せ、キスをした。