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お見舞い

目が覚めると朝になっていた。


ベッドで朝食を済ませたら、ドミニクが様子を見に来てくれた。


「おはようシア。昨日より調子が良さそうだね。

騎士団から、シアが目覚めたらお見舞いに来たいと申し入れがあるけどどうする?」


「まだ、髪の毛の色を変えられるほど魔力は戻ってないから。

…茶色の髪のウイッグ、用意してくれる?

それと、『シア』は声が出ないから筆談用の紙とペンも欲しいのだけど」

とドミニクにお願いをすると


「わかったよお姫様。」

と言って、ウィッグと筆記具を数十分で用意してくれた。



一時間後、最初にやってきたのは大きな花束を持ったフランクさんだった。


「やあ。シア、体調はどう?

おや?ここは花屋だった?すごい花の量だね。

もしかしてここで花屋を開く気かい?」

と大きな花束を持って、優しい顔で入ってきた。


『フランクさん、私、ここでお花屋さんを開こうかしら。

見て?この花の多さ。

街の花屋さんの花、全部がきっとここにあるわ。

あら、フランクさんの花も入れると、街に花が無くなっちゃったわね』

と今まで通り筆談で答えた。


「花屋を早く閉店して、また総務課に復帰して欲しいよ。シアがいなくて皆寂しがっている。」


『そうね。早く戻れるように頑張るわ』


「シアが疲れるといけないからもう戻るよ。」


と言うと、フランクさんはベッドの脇机に長細い箱をそっと置くと、振り返らずに部屋を出て行った。




次に部屋に入ってきたのはリサさんとティナさんだった。

「シアちゃん大丈夫?足りないものとかはない?

今は療養が先決だから、ひとまず大使館にお引越しになってしまってシアちゃんの荷物が屋敷からごっそり消えちゃって寂しいけど、まずは体を治すのが1番よ!」

とリサさんは言った。


「シア様、お世話の人手が足りないならお手伝いに来ますからね。おっしゃってください」

とティナさんが言ってくれた。


そして2人が置いていったお見舞いの品は、何故か滋養強壮にいいとされる薬草酒1樽だった。

それって噂に聞くお年寄りが飲むお酒なのでは…。

相変わらずリサさんは面白い。

私は2人が帰った後で声を出して笑った。



その次にお見舞いに来てくれたのはキャロルさんだった。

部屋に入るなり


「シアちゃん!この度は本当にごめんなさい!

私が不正に気づかないといけない立場なのに。

シアちゃんが不正に気づいて、それでマリーナちゃんとシアちゃんが襲われたと聞いたわ。

本当に謝っても謝りきれないわ」


キャロルさんに泣かれてしまった。


『私は気にしてませんよ。そもそも忙しすぎるのがいけないので、人員を増やしてもらってくださいね』

と書くと


「ええ!今回の事で、中央の文官が10人騎士団の総務に移動になったの。

でも、シアちゃんの席はあるからね!」


とお話をしていると、ガスパルさんや顔馴染みの騎士団の方がやってきた。

みんな一様に早く戻ってきてと言っていた。



午後、賑わいが引いてからマリーナちゃんが来た。

マリーナ第二王子妃はマリーナちゃんの格好でやってきたのだ。


「シアさん、毒に侵された私を助けてくれてありがとうございます。

そして、私の正体を誰にも話さずにいてくれてありがとうございます。

私が騎士団で働いていたのは、不審人物を探すためだったの。

シアさんのおかげで、不審人物と、会計の不正も正せました。

会計の不正は巧妙で、キャロルさんも気付かなかったみたいで…。

あの後、私はケルダート教会の扉にもたれかかっているのを発見され、すぐに目が覚めたんです。あの時の怪我は発見された時には治っていて、解毒も済んでいました。そして、魔力切れも、半分魔力が戻っていました!

本当にありがとうございます。」

と、片膝をついて王族のお辞儀をされた。


『お辞儀を解いてください。そもそも襲われたのは、私が襲われたのを助けてくれたからです。

私の方が命を救われました。本当にありがとうございます。』と書いた。


「…いつも通り話していいですか?」

とマリーナ第二王子妃…マリーナちゃんは言ったので


『いつも通りの方が話しやすいです』

と書くといつもの2人の会話に戻った。


「まさか、攻撃で穴の開いた制服の上に黄色い靴下が乗っていたのを見た時、少し笑っちゃいました。

第一小隊長の靴下に助けられたんですね。」


『本当ね。フランクさんの靴下が無かったら、私、どうしてたかしら?わからないわ』


2人で他愛のない話をして笑った。


「復帰したら、またいつもの通りマリーナちゃんって呼んでくださいね」

と言って、帰って行った。


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