解毒のポーション
本日2回目の投稿です。
その時、通路の奥から爆発音がした。
瓦礫が崩れる音がする。
《俺の魔法の匂いがする。あいつらはここに逃げたようだ》
《なんだここは?》
《噂の王都の地下迷路じゃないか》
《秘宝があるらしいな》
《あいつらを始末して秘宝を探すか?》
《ならすぐに見つけて始末しよう》
あの声が聞こえて来た。
まずい!
私はマリーナちゃんを引きずって扉の中に入った。
扉を押して閉めると
ガチャ
っと音がして鍵がかかった。
「とじ…こめ…られた?
誰も…鍵…開けれない…開かずの…扉」
マリーナちゃんの指摘にハッとした。
外にいたら多分攻撃を受けただろうから中に入ったのに、中に閉じ込められてしまった!
今はとりあえずマリーナちゃんの毒をなんとかするのが先決。
私は改めてアイテムボックスを探った。
ポーション!
そうだ!解毒のポーション持ってた!しかも錠剤になってる!
私は意識を失いかけているマリーナちゃんの体をトントンとたたいて、マリーナちゃんに口を開けてもらって、錠剤を飲んでもらった。
ポーションの瓶を一本飲まないといけないくらいの毒だから、錠剤では現状維持が精一杯。
でも、これで出口を探すまでは何とかなるかもしれない。
マリーナちゃんは目を閉じた。
私はマリーナちゃんに扉によしかかってもらった。
マリーナちゃんは少し目を開けたけど、また閉じてしまった。
ポーションの入った錠剤のせいで眠ってしまったようだ。
でも息がゼイゼイ言っていて苦しそう。
マリーナちゃんの意識が無くなったようで、マリーナちゃんの髪色がアンバー色になり、ぷっくりした鼻がスッとした鼻の形に変わった。
マリーナちゃんは美術館で会った第二王子妃だった。
第二王子のためにも王子妃をなんとかして連れて帰らなきゃ。
私はどこかに出口があるかもしれないと思って、閉じ込められた部屋の中を見た。
部屋の中はまるで空があるかのように明るくて緑が生い茂っていた。
部屋の中だよね?
草むらの中をガサガサと音を立てて何かが近づいて来た。
草をかき分けて出て来たのはユニコーンだった。
ユニコーンは私達に気付くと、ゆっくり近づいて来た。
そしてマリーナちゃんの右膝の傷を見て私を見た。
まるで私に『来い』と言っているかのように短く鳴くと、背を向けて歩き出し、すぐ目の前の小川の前で止まった。
小川がキラキラしている!
もしかして聖水かしら。
『小川の水に布を浸して傷口に巻けばいいの?』
と聞いたけど、声が出ないのでヒューヒューという音がした。
ユニコーンは何も言わずに私をじっと見た。
きっとこの水を布に含ませて傷口に当てるのであっている。
確信はないけど。私はアイテムボックスから布を探した。ハンカチも含めて、布製品は入っていない…。
唯一出てきたのはフランクさんからもらった黄色い靴下だった。その黄色い靴下を小川の水に浸してマリーナちゃんの所に持っていき傷口にあてた。
すると、白い煙が出て傷口が塞がっていく!
それと同時に、ゼイゼイ言っていたマリーナちゃんの息が落ち着いた。
よかった。
この水を飲んだらもっと回復するかも。
コップが入っていたはずと思いながらアイテムボックスを探ると、小さな蓋つきのタンブラーが出てきた!
これも魔道具の一つで、見た目よりも沢山入る。
買い出しに行く時に、念のため飲み物を持っていくために入れた物だ。
結局一回も使っていないけど。
私はタンブラーに水を入れてマリーナちゃんの所に戻ろうと振り返ると。
突然、マリーナちゃんは寄りかかっていた扉と共に透明になって消えてしまった!
私はタンブラーを持って小川が流れる草むらの中に立ち尽くしていた。




