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Ⅲ悍ましいカニモルサスの毒を持つ犬が歩き回る墓地で我々はミサを行わねばならぬ
悍ましいカニモルサスの毒を持つ犬が歩き回る墓地で、
我々はミサを行わねばならない。
高尚なものは、無防備で、常に魂を危険な荒野に晒す。
白い骨、空洞の目、黄色い蛆の中で
我々は厳粛な聖務日課を執り行うのだ。
ああ!!カニモルサスの犬は、聖なる肉を汚し、腐敗させてしまう。
それは悪霊の巣食う牙で八つ裂きにされた命の末路だ!!
だが見ろ!!
この孤独な路地では、この奇妙な排水溝では、
カニモルサスすら主の王国のゆりかごに焦がれて眠る。
銃弾で血を流した思想家である我らは、
傷ついた魂を抱え、破傷風の傷を抱え、
社会主義について語るのだ。
決して、この肉の形では救われないと
わかっていながらも。