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XIII潰瘍の乗組員達は人間の知らぬ神学の話をデエー腺で囁き合う
沈没した船乗り達の船は、
光も道徳も届かない海底で、
潰瘍の乗組員と呼ばれる歪な貝達によって
木材の身体を喰い尽くされ、
朽ちていくのだ。
ラテン語の糞野郎の説教も届かない盲の世界で、
二枚貝達は人間の知らぬ神学の話を
デエー腺で囁き合う。
腐敗・・・
深淵・・・
ここでは木の朽ちていく音だけが
ミサのサンクトゥスとして響き渡る。
栄誉のコンキスタドールだろうと、
勇ましいサンディニスタだろうと、
説教好きのジャコバンだろうと、
死者達は、
ここでは静かな
二枚貝の音楽に聴きいるのだ。
ああ、この醜い骸こそが
世界の真実の姿。
ああ、光の届かない不条理こそが
お前の人生の姿。
地上の職人が作った船は、
海底の潰瘍の乗組員達によって
解体されていく。
闇とは蛆の這う棺だ・・
さぁ、栄光よ!!
救済が喪に服す世界へようこそ。
キリストの骸に差す
月明かりがまだあるうちに
祈りは済ませておくがいい。
お前の骨が握りしめる詩篇もまた
永遠の愛だと言うのなら・・