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Ⅻ吐瀉物

「天使の様に美しい」

と、会場で、ある男に言われたが、

自分には翼が無い事など私は知っている。


また、ある人には「大理石の様な肌だ」と言われたが、

自分の肌が石ではない事位、

私は子供の頃から知っているのだ。


別の男達は

「深い海の様な瞳だ」

と私の瞳を讃えたが、

自分の眼球の色など

虹彩の色素に過ぎないではないか!!


やがて私は

他者の幻想に吐き気を覚え、会場を後にする。


なぜ、ああも、

[ここにいない者]の話をするのだろうか?

まるで自分など最初からそこにいなかったかの様に!!


我々は闘い続ける命だ。

ただの老朽化していく醜い肉だ!!


ああ!!

虫も暮らせぬ会場!!

蠅も集らぬ腐敗!!


道端で私は嘔吐した。

その吐き出された吐瀉物を眺め、私は思った。

ああ、これこそが・・・

これこそが私の臓物(オルガン)

私の生命(オルガン)・・。

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