26普及への準備
「ふむ。……まさか習得方法がわかっているとはな」
僕は父様に鑑定魔法について説明してそれを普及させたいと話した。
父様は椅子に深く座り直すと腕を組んで目を閉じた。
「マーク。それが本当なのか知りたい。俺たはちにも習得してみてもいいか?」
「はい。‘たち’とうことは母様、兄様、姉様もですね」
「あぁ、それから貴族、平民関係なく習得出来るのか俺も確認したいからガイストとマゼンタもだな」
「わかりました。よろしくお願いします」
***
部屋に集まってもらった家族とガイスト、マゼンタに今回の用事を説明し、複製していた鑑定魔法の説明のメモと今回鑑定してもらう花瓶の花を先に僕が鑑定して鑑定の際に僕の目に見えた結果を備考欄以外を書いた物を渡す。
どきどきしながら様子をうかがっていると皆がそれぞれ‘鑑定’と唱えた。
確認すると皆鑑定魔法が使えるようになったと言ってくれて、ほっと安心した。
「これなら鑑定魔法を広めることが出来るでしょうか?」
「うん。大丈夫そうだな。マークは本の作成を。それを広めるのは俺がしよう。……でも、一旦忘れろ」
「わ、忘れる?」
僕が父の言葉に意味がわからず首を傾げる。
「ロナウドが言いたいのは今は旅行中なのだから旅行を楽しめということよ。仕事は家に帰ってからにしなさい」
「……ですが」
「食材の間違いはマークのせいではないわ。むしろ今まで食材の間違いは時々あった事故だったのよ。それをマークのおかげて事故がおきる可能性を大幅に減らせるかもしれない。感謝されこそ恨まれることわないわ」
「……母様」
「貴方は責任感が強すぎます。なんでも自分のせいにしないで。私たちも鑑定魔法が使えるようになって感謝しているのですよ」
母様が優しい表情で僕を見て頭を撫でてくれる。
鑑定魔法を覚えた皆はそれぞれ微笑んで頷いてくれた。
「…………わかりました。僕は初めての旅行を楽しみます。旅行初めてだったんでずっと楽しみにしてたんです」
「えぇ。それで良いのよ」
僕は一旦旅行と初めて会う祖父母に改めて思いを馳せることにした。




