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治癒魔法師の奮闘記(完結)  作者: けいと
2章
25/42

21旅行開始

本日、母様の実家であるブーケルン領に向けて出発する。


6人乗りの馬車に一緒に乗るのは父様、母様、兄様、姉様、僕、それと僕付きの使用人であるアランだ。それは初めての長距離移動をする僕に気を使ってくれたようだ。

アランは使用人の中では新人の部類なので最初は固辞したらしいが、僕のために乗る事にしたようだった。


他に御者には団長のガイスト、荷物を積んでる方の馬車で荷物番をしてくれているのはメイド長のマゼンタが乗っている。

執事長のダニエルは留守中のクリフトフ家を任せてあるようだ。


馬車に乗る時に御者をしているガイストに違和感が凄かったが、こういう馬車の場合賊に真っ先に狙われるのは御者なので、手練れが良いらしい。



「マーク。気分が悪くなったらすぐに言うのよ」


母の言葉に素直に頷く。前世でも車酔いという症状は辛いものらしいので、更に悪路な馬車だとどうなるのか不安しかない。


「サーラ、あんまり怖がらせたらダメだよ。マーク。そんなに心配そうな顔をしなくても大丈夫だよ。馬車はゆっくり走らせるから」


父が安心させるように言ってくれる。隣に座る姉様も頭を撫でてくれた。






ガタガタガタ。

馬車が道を進んでいく。

僕はどうやら三半規管は弱くなかったようで酔う様子はない。

でも、固い椅子に長時間座っているのでお尻が痛くなってきた。クッション持ってくれば良かったなぁ。


「マーク様。こちらをお使いください」


向かいに座るアランが渡してくれたのは丁度僕が求めていたクッションだった。


「ありがとう。良くわかったね」


クッションを有り難く受け取りお尻の下に敷く。


「少しもぞもぞされていましたので、もしかしたらと思いました」


「気のきく従者を持てて嬉しいよ」


僕の言葉に嬉しそうな顔のアラン。僕が女の子だったら一発で落ちそうだ。隣の姉は大丈夫だろうか?


僕が姉の方を見ると僕の視線に気付いたのかこちらを見てにっこりと微笑みかけてくれた。

特になんとも思ってないようだ。


これはこれで年頃の女子としてはどうなんだろうか?

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