プロローグ
活動報告に理由を書いていますが最後の部分だけ少し変えました。
熱でうなされる僕の傍には心配そうな家族の姿。
俺が倒れた時には誰も心配してくれる人はいなかったな。
今はこんなに心配してもらえて僕はとっても幸せだ。
僕は家族にお礼がしたいな。
だんだんと思考がぼやけていく。今が夢か真か判断がつかない。うつらうつらとしながら僕は目蓋を閉じて意識を手放した。
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マークライアン・クリフトフ。クリフトフ領を治めるクリフトフ辺境伯家の次男。それが僕だ。
僕は5歳の時酷い風邪にかかってしまった。その時にどうやら前世の記憶とやらを少し思いだしたらしい。
なぜ、曖昧な表現かといわれると思いだしたといっても、前世の人格を思いだしたわけではない。前世の人の知識を思いだしただけなのだ。
クリフトフ領は隣国と隣接した土地で隣国との間に広大な森が茂っている。
この森は地元民から魔獣の森と呼ばれていて冒険者たちが良く立ち寄る領になる。
父はあまり領地経営が得意ではないがなんとか維持出来ているのは時折領地に訪れる魔獣の討伐と冒険者たちが領に落とす金銭によるものが大きい。
僕は現状の領の運営状況のままだと不味いのではないかと考えている。
魔獣は当分現れなければ?冒険者たちが魔獣の森ではなく他の地に関心をもったら?
魔獣の生態は詳しくは解明されてはいないけど、狩り続けても永遠に湧いてくる保証はないのではないだろうか?
僕はこの領地が好きだ。家族が好きだ。まだ生まれて5年しか経ってはいないけど、はっきり言える。
僕は僕を助けてくれたみたいに皆を助けてあげられるようになりたいと強く思った。