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重傷者事件から数日後。
その間父様は有志者と兄様を連れて魔獣の森に見回りに出た。
ウルフは群れを作る獣でまとまって襲われると腕自慢でも多勢に無勢になる厄介な獣らしい。
少年たち親子はギルドの宿泊スペースで療養中との事だ。
「マーク様。旦那様がお呼びです」
執事長のダニエルが呼びに来てくれた。
僕は返事を返すと父がいるという応接室に向かった。
「旦那様。マークライアン様をお連れしました」
ダニエルに促され応接室に入ると父と向かいにギルドマスターが一人用椅子に少年家族が並んでソファにこしかけていた。
「こっちだ。来なさい」
「はい。えっと、あらためまして、クリフトフ家次男のマークライアンです。ご無事で良かったです」
そう言えば自己紹介してなかったなと気がついて挨拶をすると皆も慌てたように自己紹介をかいしてくれた。
熊のような大男ははやりギルドマスターでトーマスさん。
少年はアランというらしい。そう言えば鑑定で名前を見た気がするがそれどころではなかったな。
「今日はマークライアン様にお礼に来ました」
『ありがとうございました』
トーマスさんの言葉にアラン親子は頭を下げる。
「完全に助かったとは言えず力不足でしたが、命を救う事が出来て良かったと思っています」
皆には誉められたとはいえやはり父親に後遺症を残してしまったのは悔やまれる。でも、助ける順番を変える訳にはいかなかった。逆だと多分母親を死なせてしまっていただろう。
「あの、マークライアン様。ご領主様。俺…いや、私をマークライアン様の配下にさせてください」
僕がついつい思案しているとアラン君がガバッと勢いよく頭を下げる。
「……僕、ですか?」
「はい!」
「……父様。どうしましょうか?」
兄なら次期領主で年齢も13歳なのでわかるが次男で6歳の僕に仕えたいのだろうか?
「マークはどうしたいんだ?」
逆に聞き返されてしまった。
「そうですね。こんな子供に仕えたいと思っていただけて嬉しく思います」
「うむ。なら仕えさせてあげなさい」
「はい。では、アラン君、よろしくお願いします」
「まずはダニエル指導の従者教育後になるが良いかな?」
「はい!ありがとうございます。領主様。マークライアン様」
こうして齢6歳にして専用従者がつきました。




