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治癒魔法師の奮闘記(完結)  作者: けいと
1章
11/42

9初めての重傷者

一応R15です。

重傷者なので。

マークももうすぐ7歳だ。これから町の顔役たちのところに挨拶に行こう。そう父に言われたのは昨日の事だった。


クリフトフ領はカナラマゼン国の北部に位置する領地で大きい町は僕たちも住むここクリフトフ町が1つと他にいつくかの村を治めている。


村の方は遠く、1日で回りきれないし、自衛手段のない子供が行くには危険なので今日行くのは町の顔役たちのところだ。


魔力測定以来久しぶりに馬車に揺られながら町を目指す。

今日会うのは町の代表である町長と冒険者を監督する冒険者ギルドのギルドマスターだ。

ある意味身内ぐらいしかほとんど大人と会った事がないので粗相をしないか今から挨拶の仕方を脳内シュミレートを何度もして移動時間を過ごした。



町長との挨拶を無事に終えた僕は父様と一緒に歩いて冒険者ギルドに向かう。町長は好好爺とした優しそうなおじいさんでした。

馬車は町の役所に置かせてもらった。

それは、冒険者ギルドは人の出入りの多い建物でそんなところに馬車なんて大きな物を置いたら邪魔だという配慮らしい。


「おい。急げ!」


「治療できる奴はいないのか!」


「急いで薬屋に行くぞ」



冒険者ギルドに行くと何やら騒がしい。

父も険しい顔をしている。

僕たちは急いでギルドに入った。


入ってすぐに目に入ったのは苦しそうに倒れている少年。

よく見ると足の太もも辺りにおびただしい量の血が出ている。

僕はすぐさま少年に駆け寄ろうとして父様に背中の服を掴まれた。

そして俵担ぎされて「領主だ!どけっ!」という普段らしかぬ乱暴な口調の父に運ばれて少年の目の前に。


僕は一度深呼吸するとそっと‘鑑定’と呟いた。



【アラン】

備考:右太ももをウルフに噛まれている。患部は筋肉にまで達していてこのままだと歩行困難になる。

血を流しすぎたため貧血状態。あと10%失うと危険な状態。




「治癒できそうか?」


「危ない状況です。でも、やってみます。」


父の言葉にそちらを向かずに手短に伝える。

僕はすぐさま少年に治癒魔法をかけ始めた。


解剖図鑑の太もものところを思い浮かべて足りない物を思い浮かべながらハイヒールをかける。この傷だとヒールではダメだと思ったのだ。

筋肉と脂肪と皮……。今までちょっとした切り傷、打ち身ぐらいしかして来なかった身からしたら長い時間ハイヒールをかけていた気がする。

段々と肉が再生してきてやがて少年の太ももは傍目には元通りに戻った。

少年の顔色も貧血のため真っ青だが苦しそうな表情は和らいだ気がする。


僕はほっと一安心した。

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