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旅館でトランプ遊び

「まだこっちのほうは少し肌寒さが残ってるわねぇ」


「ほらな陽花、長袖で正解だっただろ?」


「ぐうぜんでしょぉ……でもお兄ちゃんさむいからだっこぉっ!!」


「早くお部屋に行こうよぉ……」


 東北にある温泉地は春先だというのに未だに寒さが残っているように感じる。


 送迎バスから降りた俺たちは風から身を守るべく、急いで旅館へと入って行った。


「いらっしゃいませ、お客様のお名前をお伺い出来ますか?」


 玄関先で出迎えてくれたお姉さんに正道さんが名前を告げると、もう一人近づいてきた男性が俺たちの荷物を持って部屋まで案内してくれた。


「私たちは隣だから……荷物を置いたらすぐそっちに行くわ」


「じゃあ皆川君、あとでねー」


「おにいさん、ようかちゃん……しつれいしますね」


 隣の部屋に入っていく三人を見届けてから俺たちも自分たちの部屋へと足を踏み入れた。


 いわゆる和洋室風になっている部屋は、手前が和室風で奥にある寝室だけが洋風でありベッドまで置かれている。


「お兄ちゃん、ほらふかふかだよぉっ!!」


「いきなり元気いっぱいだなぁ……捕まえたぁっ!!」


「あぁん、つかまっちゃったぁっ!!」


 ベッドの上で飛び跳ねる陽花、可愛くってつい飛びついて一緒に横になってしまう。


「おお、本当にフカフカだなぁ……しかも結構デカいから一緒に寝れるなぁ」


「そうだねぇ、せっかくベッドさんふたつもあるけど……いっしょにねようねお兄ちゃん」


「もちろん……俺も一緒に寝たいよ」


 陽花を抱きかかえたまま頭を撫でてやる……ああ、幸せだなぁ。


 移動でエネルギーを使ったこともあり、また寝不足気味なのもプラスされて一気に眠気が襲ってくる。


「遊びに来たよーっ!! あーっ!! もうベッドで横になってるぅっ!! 私も寝るぅっ!!」


「うわぁっ!? 矢部先輩、危ないから飛び込んでこないでっ!?」


「やべおねえちゃん……おっぱいあたってるよぉ……うぅ……おおきいなぁ……お兄ちゃんもこういうのがいいのぉ?」


「ふっふっふ、男の人はみぃんな大好きなんだよぉ……でもこの胸は皆川君専用だから好きにしていいんだよぉ……」


 そんなことを言われたらつい目線が釘付けになりそうで、だけど腕の中の陽花のぬくもりが俺の理性を保たせる。


「馬鹿なこと言ってないでください……ほら、起き上がるからどいてください」


「もぉ、こんなにもアピールしてるのにぃ……」


「じゃあかわりに陽花がさわってあげるぅ……うわぁ、やわらかいぃ……ちょっとたのしいかもぉ……」


「あぁん、陽花お姉さまだめぇ……私気持ちよくなっちゃ……へぐぅっ!? な、何で私を叩くのぉっ!?」


 変なことを口走っている矢部先輩を叩いてしまった……だって陽花を叩くわけにはいかないじゃないか。


「陽花に変なことを教えようとした罰です……ほら陽花行くよ」


「ぶぅ……もうすこしあそびたかったのにぃ……」


「うぅ……皆川君贔屓だよぉ……」


「あらら、いきなり何があったのかしら? 矢部先輩もう涙目じゃないの」

 

 陽花を抱きかかえて和室に戻ると、ちょうど幸人君を抱きかかえた正道さんもやってきた。


「やべおねえさん、だいじょうぶですか? いたいのいたいのとんでいけ~」

 

 近づいてきた矢部先輩の頭を撫でてあげる幸人君……畜生、役得しやがってっ!!


「うわぁんっ!! 幸人君好きぃ……結婚するぅっ!!」


「だから変なこと言って子供を困らせないの……それで何します?」


「うーん、いきなり温泉に行ってもいいけど……今入ったらそのまま寝ちゃいそうで……困るわよねぇ」


 確かにベッドに飛び込んだだけで眠くなったのだ、風呂上りなどとても危険だ。


「はーいっ!! ここに私がお勧めする図書がありますっ!!」


「却下……トランプでもしますか」


「ちょっとぉっ!! タイトルぐらい聞いてくれてもいいじゃないっ!! 『温泉は混戦……混浴と淫欲の……へぅっ!?」


「だからいい加減にしてください……下ネタ系は本当に許しませんから」

 

 もう一回叩いて本を奪う……ちらっと中身を見ると中々使えそうだったから鞄にしまっておくことにした。


「まあトランプでもいいけど……陽花ちゃんお姉さまと幸人でも知ってるのって何があるのかしら?」


「確か陽花は神経衰弱は出来たよな?」


「あとしちならべもできるよっ!!」


「ぼくもそのふたつはできます」


「はーいはーいっ!! 豚のしっぽやりたいっ!!」


 矢部先輩が謎のゲームを提案する……初耳だぞおい。


(というか、新幹線で俺が豚って言ったら皆して俺を睨みつけたくせにさぁ……)


「どんなゲームですかそれ?」


「えっとねぇ、トランプを裏向きで広げて一枚一枚捲って行って前のと同じ数字かマークが出たらみんなで勢いよく叩くのっ!!」


「よくわからないけど叩くって発言が危険なのでアウト……神経衰弱にしましょう」


「そうね、七並べしちゃうとカードが偏ってしまうから他のゲームしずらくなるのよねぇ……」


「ダウトっ!! もしくはページワンっ!!」


 必死で提案する矢部先輩を無視して俺たちは机をどけると畳の上にカードをぶちまけた。


「ポーカーっ!! ブラックジャックっ!! セブンブリッジっ!! おいちょかぶっ!!」


「賭け事なんかしませんよ……最後の奴はトランプでできるんですか?」


「出来るよぉ、教えてあげるから後でやろうっ!! 賭けるのはお互いの衣服っ!!」

 

「絶対やりません……ほら、始めましょう」


「陽花がさいしょにめくるぅっ!!」


 早速陽花が適当にカードをめくり始めた……最初は結構不利なんだけどなぁ。


「あぅぅ……外れたぁ……」


「5と7ねぇ……じゃあ俺が……4と5……げ、いきなりかよっ!?」


「ふふん、じゃあ私が……5と5……いただきね、次は2と10か……まあこんなとこよね」


「ええとぉ……4と……どこかにありましたよね……?」


 幸人君の手がさ迷っている、一生懸命顔を動かして探している……くぅう、天使だなぁ。

 

 ついつい、そっとカードを指し示してしまう。


「あ、これですか……4です、ありがとうおにいさん……じゃあつぎは6と7……ざんねんです」


「皆川君、ずるいんだからぁ……ええとぉ7もあったよねぇもう一枚……どこかなぁ……」


 チラチラと俺を見る矢部先輩……教えたらゲームにならないでしょうが。


「……ぶぅ、じゃあこれ13……もぉ、皆川君の馬鹿ぁっ」


 俺何も悪くないと思うのだが……理不尽だなぁ。


「こんどこそあてちゃうんだからぁ……6、あったよねっ!! どこぉっ!?」


 首を振って髪の毛を靡かせて探す陽花、キュートすぎる……助けなければ。


「陽花、陽花……」


「えへへ……これぇ……7……お兄ちゃんきらいぃいいっ!!」


「ま、間違えただけだからっ!! ごめんね陽花ぁあああっ!!」


「ふふんだ、天罰だよぉだっ!!」


「や、矢部先輩まさかカード動かしたでしょっ!?」


「えぇ~なんのことかなぁ~」

 

 とぼけているが間違いない……流石にルール違反過ぎるだろぉ。


「お兄ちゃんのばかぁ……陽花にいじわるするお兄ちゃんなんかだいきらいっ!!」


「ゆ、許してよ陽花ぁ……ああ、お膝から降りないでぇっ!!」


「ねえ、いい加減捲ってくれない皆川様ぁ?」


「うぅ……今更どうでも……ジョーカーにジョーカー……どうでも……4と4……ど、どうでも……8と8……」


 適当にめくっているのにどんどん増えていく……どんどん陽花が不機嫌になっていく。


「よかったねぇ、たのしそうで……ふん、だ」


「ああ、陽花ぁっ!! 4と12……ほ、ほらお兄ちゃん失敗しちゃったよぉ……可哀そうでしょ?」


「しらないもん……やべおねえちゃん、だっこぉっ!!」


「はーい、陽花お姉さまいらっしゃーいっ!!」


 俺の元から去って矢部先輩の元へ行ってしまった陽花……何て巧妙な策略だ、許せねぇ。


 こうなったらせめて神経衰弱ぐらいは勝ってやる……ああ、ナデナデしてるぅううっ!?


「こ、こっちに来てくれてもいいよ陽花ちゃんお姉さまぁっ!! 幸人と一緒に抱きかかえてあげるわぁあああっ!!」


「ほ、ほら怖いだろ、戻ってきて良いんだぞ陽花っ!! カムバックぅううううっ!!」


「陽花お姉さま、私の腕の外はおっかないよぉ……ここに居ようねぇ」


「えへへ……やべおねえちゃんやさしいからすきぃ」


 悔しすぎる、本当は俺が抱っこして言われてるはずだったのに……ぐすん。


「お姉ちゃん、みんなじゅんばんまってるよぉ?」


「くぅぅ、それよりも皆川様が手放した陽花ちゃんお姉さまが大事ぃいいい……わ、わかったわよ捲るわ、9と2よ」


「えっとぉ、じゃあぼくはぁ……」


 真面目にやっているのは幸人君だけだ……可愛いなぁ。


 結局俺と正道さんは集中できないまま、ボロボロにやられてしまった……陽花も帰ってこないよぉ。


「えへへ、私が一番っ!!」


「陽花がにばんっ!!」


「ぼくがさんばんですぅ」


「俺が四番……ほら可哀そうだから慰めて陽花ぁ」


「私がビリよ、一番可哀そうだから陽花ちゃんお姉さま慰めてぇええっ!!」


「ふたりともいいこいいこ、とてもがんばりましたよ」


 幸人君が代わりにナデナデしてくれた……これはこれで幸せだなぁ。


「さあ勝った私がゲームを決めちゃうんだからねっ!! えっとぉ……ババ抜きっ!!」


「普通に七並べじゃダメなんですか……」


「でもぼくババぬきもわかりますよ、わるいおじさんのえをもってちゃだめなんですよね?」


 悪いおじさんじゃなくてピエロなのだが……言い方が可愛いから許しちゃおう。


「陽花もなんとなくわかるぅ、おなじすうじさんをすてていくんだよねぇ」


「じゃあやりましょうか……順番は矢部先輩が好きなほうからとってください」


 トランプを配り矢部先輩から時計回りに陽花、俺、幸人君、正道さんの順で座りなおす。


「うふふ、また勝っちゃうぞぉ……残り七枚、多すぎるよぉ」


「こんどこそ陽花がいちばんだもん……うぅっ!? の、のこりはにまいだけどぉ……」


「陽花、持ってるってバレバレだぞ……残り四枚か、悪くないな」


「のこりさんまいです……かてそうですねぇ」


「……残り十一枚……何よこれ?」 


 全体でみると数が多い……最後の二人は長引きそうだ。


「とりあえず陽花お姉さまはあれもってそうだからぁ……葉月ちゃんからもーらい……ええぇ、これだけあって減らないのぉ」


「じゃあ陽花がやべおねえちゃんからもらうね……うぅ、はずれだぁ……」


「よーし陽花ぁ、お兄ちゃんにひかせてねぇ……」


 陽花が顔を背けながら俺に三枚のカードを差し出す……真ん中の一枚が特に飛び出している。


(これは引けってことだよなぁ……うぅ、お兄ちゃん行きます)


 引き抜いてみると見事にピエロ……悪いおじさんが描かれていた。


「えへへ、お兄ちゃんたらたんじゅんなんだからぁっ!!」


「あはは~、やったなぁ陽花ったらぁ……ほら幸人君どうぞ」


 カードを広げながらさりげなくババだけ握った手のひらで覆えるだけ隠す。


 いい子の幸人君はわざわざこの引きにくいカードは取らないはずだ。


「えーい、ペアがありましたぁっ!! えへへ、あとにまいだよぉ」


「これは幸人が優勝かしらね……えい、あったわ……けど残りが九枚……きついわぁ」


「よーし、今度こそ……やったぁ残り六枚」


「陽花のばん……えいっ!! ぶぅう、やべおねえちゃんのいじわるぅううっ!!」


 陽花の枚数が減らない……ふくれっ面も可愛い。


「よーし、お兄ちゃんの番だぁ……おお、減ったぞ、残り三枚だっ!!」

 

「じゃあぼくがひきますね……こっちです……うぅ……わるいおじさんだぁ……」 


 流石に三枚ではカバーしきれなかった……情けないお兄ちゃんを許しておくれ。

 

「ババの確率は二分の一……こっちよっ!! くはぁっ!?」


「お姉ちゃんやさしいです、えへへ」


「よ、余計なことしないでよ葉月ちゃんっ!? え、ええとこれっ!! えぇええっ!! ど、どうしてぇえっ!?」


 順調にババが巡っているようです……止めてくれよ、陽花にだけは渡さないでやってくれ。


「うぅ……こっちぃ……うわぁああんっ!! お兄ちゃん、やべおねえちゃんがいじめるぅうううっ!!」


「おお、よしよし可哀そうになぁ……ふふ」


 ついに陽花がこっちに戻ってきた……手札が見えちゃうから抱っこできないのが辛いところだ。


(こうなったらさっさと終わらせて抱っこタイムだっ!!)


「よーし、ここで引き当てたらお兄ちゃんの勝ち……」


 陽花がまた真ん中のカードを目立たせてる……引くしかないよねぇこれ。


「あっちゃぁババだぁ……陽花は駆け引き上手いねぇ」


「えへへ、お兄ちゃんのきもちなんか陽花はてにとるようにわかっちゃうんだからねっ!!」


(本当に俺が陽花を甘やかすって分かってて敢えてバレバレな配置してるんじゃ……ま、まさかなぁ……)


「ええとぉ……こっちですかぁ、ああぜんぶなくなっちゃいましたぁっ!!」


 この時点で幸人君の勝ちが決定した。


「あらら、凄いじゃない幸人……この場合って私は引かなくていいのよね……ふふん、残り八枚よ」


「は、葉月ちゃんが追い付いてきたぁ……今度こそ……やったぁ、残り四枚だぁ」


「よぉおし、こんどこそぉ……やべおねえちゃんのとなりにすわった陽花がばかだったよぉ」


「ははは、ほら陽花頂戴なぁ……よぉし、残り一枚……実質勝利ぃっ!!」


 今度は俺が上がれた……幸人君に俺、日頃の行い順かなこれは。


「くぅう、分かってて引かなきゃいけないなんてぇっ!! ちょ、ちょっと待って……どう矢部先輩っ!!」


「そんな念入りに混ぜないでよぉ……こ、こっちぃ……な、何でぇええっ!?」


 二人がやり合ってる間にそっと陽花を抱き上げる……抵抗しなかったぁ、よかったぁ。


「よぉし、陽花あがっちゃうんだからねっ!! お兄ちゃんちかづけて……ああん、もうばかぁっ!!」


「陽花ちゃんお姉さまの手元にババがあるのねぇ……ど、どれかしら……ふふ、やっぱりババかぁ」


「えへへ、はづきおねえちゃんもわかりやすいねぇ」


 やはり目立っていたカードを引くしかない正道さん、陽花は魔性の女の子だなぁ。


「うぅ……よ、よし残り二枚だぁっ!!」


「お、おいつかれちゃうよぉ……ど、どうして陽花はぺあさんがこないのぉっ!!」


 一度もペアが揃ってない陽花が手の中で暴れてる、落とさないように気を付けないと……でも可愛い。


「まだこんなにある私よりましよぉ……あら、減ったわ残り六枚ね」


「これだけ減れば早いよねぇ……これ……がババだったぁ……うぅ……」


「ぜ、ぜったいばばだけはひかないもん……これぇ……ふぅ、せーふだよぉ」


 何とかババ以外を引いた陽花だが未だに手札は減らない……やっぱりこれ日頃の行い順なのではないだろうか。


「ひょっとして間に合うのかしら……また減ったわ、残り四枚よ」


「うぅ、は、早すぎる……うぅ、ババのせいで減らないよぉ……ほ、ほら陽花お姉さま取って取ってぇ」


「ど、どっちかがババさんだぁ……お、お兄ちゃんかわりにひいてみてぇっ!!」


「お、俺が……ぐぅ……こ、こっちだぁっ!!」


 これでババだったらまた嫌われてしまうかもしれない……祈りながら開くと何とか数字を引けたようだ。


「えへへ、さすが陽花のお兄ちゃん……かっこいいよぉ」


「そ、そうか……」


 この程度のことで喜ばれると何か複雑……だけど陽花が楽しそうだからいいかぁ。


「ここで引ければ……やったぁ残り二枚……追いついたわよぉおおっ!!」


「くぅぅ……何を引いても駄目だよぉ……陽花お姉さまぁ、勝負よっ!!」


「ふふん、陽花にはお兄ちゃんがついてるもんっ!!」


「ま、また俺が引くのか……これだ……あうっ!?」


 ついにババを掴んでしまった……怒られるよぉ。


「あぁあっ!? お、お兄ちゃんのばかぁあああっ!!」


「ごめんよぉおおおっ!! で、でも次挽回すればいいんだよっ!! 大丈夫まだ勝てるからっ!!」


「それはどうかしら……私が……上がって……ババだわぁ……うぅ……陽花ちゃんお姉さまは強いわぁ……」

 

 やっぱり陽花の涙目に屈した正道さん……頬を膨らませて涙目の陽花は無敵だ、誰も勝てない。


「よーし、この隙に上がっちゃうんだからぁ……くぅうぅ、どうしてババが来るのよぉぉおおっ!!」


「うぅぅ……もうお兄ちゃんにはたよれないしぃ……えいっ!! やったぁババじゃないよぉっ!!」


 喜んでいる陽花だが、全く手札は減っていない……凄いなぁ未だに一枚も減ってないぞ。


「じゃあ今度こそ上がらせて……うん、これで勝ちねっ!!」


 正道さんが上がった……当然もう矢部先輩は引かなくていいから自動的に陽花の負けだ。


「よぉし、ルール上で私の私の勝ちぃ」


「えぇええっ!! なっとくいかないよぉっ!! きちんとさいごまでひきあおうよぉっ!!」


「そうだねぇ、陽花の言う通りだ……矢部先輩引いてください」


「ず、ずるぃいいいっ!! くぅ……せっかく勝ってたのにぃ……ババがある限り上がれないよぉ……」

 

 ここから先はサドンデスだ、ババがない状態で数字を引き当てないといけない。


「よぉし……こっちぃ……ババだよぉ……やべおねえちゃんいじわるだぁああっ!!」


「勝負ごとに泣き言は通じないんだよ、陽花お姉さま……さあて……」


 陽花がまたババを突き立てる、涙目でふくれっ面でアヒル口だ……これを打ち破れるものが居るはずがない。


「じゃあこっち……やったぁあがったぁっ!!」


「な、なんでそっちをとるのぉおおっ!!」


 あっさりとババを回避した矢部先輩、流石空気の読まなさは天下一品だわ。


 ようやく終わったババ抜き、順位は幸人君、俺、正道さん、矢部先輩、陽花の順だ……やっぱり日頃の行い順だなぁ。


「もういっかいぃいいっ!! こんなのなっとくいかないよぉおおっ!! 陽花いちまいもすてれてないもんっ!!」


「はいはい、また後でね……そろそろいい時間だなぁ、着替えて温泉……の前に卓球でもしますかぁ」


「いいわねぇ……じゃあまたいったん戻るわね」


「わかりました、じゃあきがえてきます……ようかちゃんまたね」


「ぶぅううっ!! みんなきらいだもんっ!!」


「うふふ、陽花お姉さまは怒り顔も可愛いねぇ……皆川君、じゃあ浴衣を着た私を楽しみにしててねぇ」


 三人が去って行ったあと、俺は陽花をなだめながら浴衣に着替えるのだった。


「陽花がてつだってあげる」


「い、いや大丈夫だから……な、何でお胸さん触るのぉっ!? だ、だから懐に手を突っ込まない……顔も駄目ぇええっ!!」

 【読者の皆様にお願いがあります】



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