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陽花と過ごす休日

 口周りに湿り気を感じる、鼻孔から感じるのは甘さを感じさせる心地よい清純な香りだ。


「えへへ、お兄ちゃんおはよー」


「おはよう陽花」


 目を開ければ陽花の可愛らしい笑顔が映る……思わず愛おしすぎて抱きしめて頭を撫でてしまう。


「またおはようのキスしたなぁー、勝手にやられたら恥ずかしかっただろー」


「陽花からするのはいいんだもーんっ!! お兄ちゃんだってうれしいくせにぃ」


「そんな勝手なこと言っちゃ駄目なんだぞー、ええい頭ぐしゃぐしゃにしてやるっ!!」


「きゃーっ!! お兄ちゃんのいじわるぅーっ!!」


 髪の毛が傷付かないよう丁寧にくしゃくしゃになるぐらい撫でまわしながら、俺たちはベッドの上で遊び惚ける。


 今日は一日お休みだ、本来なら家事をしなければいけないが大半は伊代音さんが片付けてくれている。


 だから怠け放題だ……せっかくだし思いっきり陽花に構ってやろうと思った。


(幼稚園に行く支度も必要ないから髪の毛ぐしゃぐしゃでも平気だしなぁ)


 陽花もわかっているようで言葉とは裏腹に満面の笑みを浮かべている。


「陽花だってしちゃうもーんっ!! お兄ちゃん、かゆいところはありませんかー?」


「頭に昇るのは卑怯だぞ~、こらぁあっちこっち掻きまわさないのぉ」


「じゃあおみみさんいじっちゃおーっとっ!!」


「痛いからな陽花……ああ、口は反則だよ汚いだろっ!!」


 耳をハミハミされてしまう、流石に汚いと思って陽花を両手で抑え込んだ。


「あとでおくちぐじゅぐじゅするからへいきだよー、お兄ちゃんのやわらかいおみみかみちぎっちゃうつもりだったのになぁ」


「おっかないこと言わないの……そういう意地悪な子にはお仕置きだーっ!! 足の裏くすぐっちゃうぞーっ!!」

 

「だめぇっ!! 陽花それよわいのぉっ!! あ、あははく、くすぐったいよぉっ!! いやぁんっ!!」


 小さい靴下を脱がせて陽花のつるつるな足の裏を優しく指で擦ってやる……それだけで全身を悶えさせる。


「ほらぁ、ごめんなさいは? 謝らないといつまでも続いちゃうぞー」


「あははっ!! や、やめてよぉお兄ちゃぁん、よ、陽花がわるかったよぉ……あぁんっ!! あははっ!!」


「そうそう素直にそういえば……こ、こら服を捲ら……っ!?」


「お、おかえしなんだからっ!! わきのしたくすぐっちゃうんだからっ!!」


 陽花のちんまい指が俺のわきの下をこちょこちょとくすぐる……余りにも弱々しく繊細な触り心地が逆に耐え切れないもどかしさを生む。


「よ、陽花……くくぅっ!! ちょ、ちょっとずる……ぷぷっ!! わ、わかったお兄ちゃんが……くぅっ!! 悪かったよぉっ!!」


「べつにあやまってなんていってないもーんっ!! やめてあげないんだから」


「あははっ!! ず、ずるいぞ陽花っ!! うくくっ!! ご、ごめんってばぁっ!! ははっ!! 陽花許してぇっ!!」


 俺の言葉を聞いても嬉しそうに笑うばかりで陽花はくすぐることを止めてくれなかった。


 結局終わったのは陽花のお腹の虫が鳴き始めてからだった。


「はぁーはぁーや、やりすぎだぞ陽花ぁ……お、お兄ちゃん疲れちゃったよぉ」


「だってぇあさからお兄ちゃんいじわるだったんだもん、それより陽花おなかへったぁー」


「わ、わかってるって……うぅ、身体が重いよぉ」


 どれだけ疲れていようとも陽花を飢えさせるわけにはいかない……俺は無理やりベッドから起き上がった。


「陽花へのあいがあればだいじょーぶっ!! なんならちゅーしてほきゅうしてあげようか?」


「もう過充電ですぅ……けど連れてっちゃおっと」


「きゃぁーっ!! お兄ちゃんあさからだいたんっ!! 陽花をおひめさまだっこしてどこにつれていくのぉ~?」


「台所ですぅ……今から美味しそうな陽花を料理しちゃうぞー」


 笑いながら台所に連れていき、適当な鍋に入れるふりをする。


「いやぁんっ!! 陽花がかわいいからってたべちゃだめぇ~」


「仕方ないなぁ特別に止めてあげよう……何食べたい?」


「なんでもいーよっ!! おにくがいいーっ!!」


「ほほう、中々珍妙なるリクエスト……素直にお肉って言いなさい、目玉焼きにハムウインナーでいいか?」


 足元に降ろして材料を取り出す……脚に陽花がくっついて邪魔だけど愛おしい。


「お兄ちゃんがつくってたべさせてくれるならなんでもいーよっ!!」


「じゃあ生野菜サラダに青汁に納豆でもいいんだな……よーし、陽花の健康の為にがんばるぞーっ!!」


「だめぇーっ!! お兄ちゃんいじわるっ!! 陽花おこっちゃうよっ!! あっぷなんだからねっ!!


 頬を膨らませて俺を見上げる陽花……可愛すぎるだろっ!!


「ごめんごめん、わかったよ……じゃあ最初のメニューを作るから火を使うときだけは離れてね?」


「ぶぅ……さいしょからそういってよぉ、まったく陽花にきらわれてもいいの?」

 

「ごめんねって……陽花の怒る顔も可愛くてつい意地悪しちゃったよ、本当にごめんね」


「ふんだ……かわいいっていえばゆるされるとおもってるのっ!! まったくもう……えへへ、かわいいっていわれちゃったぁ」


 散々毎日のように可愛いと言われていてもやはり嬉しいらしい。


 すぐにご機嫌になった陽花に癒されながら俺は料理に取り掛かる。


 火を使うときだけ万が一にも陽花に油が跳ねないよう距離を置いたがそれ以外はずっとくっついていた。


 小さいお手手で俺のズボンを掴んで、一生懸命小さい脚で俺の後をつけて回る陽花……ベリーキュートです。


 何度も抱きかかえたい衝動に駆られながら料理の為に必死で耐える……人目がなければ抱きかかえること自体にもう抵抗は感じなかった。


「ほらご飯できたぞー……おいでー抱っこして椅子に乗せてあげるからねー」


「きょうはおいすさんすわらないでお兄ちゃんのおひざさんのうえでたべるーっ!!」


「おお、そうかそうか……零したら服が汚れるけど、まあ今日は休日だからいいっか」


 陽花を抱きかかえて食卓に移動して座り、陽花を足の上に降ろした。


 俺と机の間に挟まれた陽花は嬉しそうに俺の顔を見上げている……至近距離にいる陽花、撫でてあげたくなる。


「お兄ちゃぁん……あたまなでなでしてたら陽花にごはんたべさせられないでしょぉ、すこしがまんさんしなさい……えへへ」


「ぶぅ、でも陽花を飢えさせるわけにはいかないからねぇ……ほらあーんっ」


「あーんっ……もぐもぐ……やっぱりお兄ちゃんにたべさせてもらうとおいしーよーっ!!」


「ふふ、それは良かったねぇ……ほら続き、あーんして」


 陽花が小さいお口を開けて作り物のように並んだ細かい歯を見せてくる……乳歯だろう、武骨な俺のとは全然違って触りたくなる。


 指を差し入れたい衝動に駆られるが何とか我慢してご飯を運び入れた。

 

 もぐもぐと口が動く、プニプニなほっぺを膨らませながら頑張ってご飯をかみかみしている……ああ、抱きしめたい。


 ごくんとまだ喉ぼとけが欠片も見えていない喉を動かす音がした。


「お兄ちゃん、はやくつぎー……あーんっ」


「はい、どうぞ」


(こんなに魅力的な光景を独占できる俺は、前世でどれだけの善行を積んだのだろうか?)


 陽花の一つ一つの挙動が輝いて見える、心の底からほっこりする。


「ごちそーさまでしたー」


「もういいのかな?」


 少し名残惜しくて聞いてしまった……もっと見ていたかったぁ。


「うん、こんどはかわりに陽花がたべさせてあげるねー」


「うっ!? よ、陽花さん、あの口の奥まで入れたらお兄ちゃん苦しいからね」


「わかってるよぉ……ほらあーんしてぇ」


「い、今わかってるって……あーんっ……もぐもぐ……んー、おいしいよ」


 陽花のちんまりしたお指で挟まれたお箸が俺の口内に入り込む。


 こんな幼い陽花が拙い手つきで俺にご飯を運んでくれる、その事実だけで俺は天国に居るような心地を味わうのだった。


「陽花はお箸を使うのが上手いねぇ……お兄ちゃん見てるだけで幸せだよー」


「えへへ、お兄ちゃんにたべさせるためにれんしゅうしたのぉ……はい、あーんっ」


 陽花に何度も食べさせてもらう……いや本当に美味しすぎる。


 もうそれだけでお腹いっぱいだった、だけど陽花が運んでくるもんだから口を開いて食べ続ける。


「お兄ちゃんおかわりはー?」


「ふぅ、もうお腹いっぱいだよぉ……ありがとう陽花」


 左手で抱きかかえて右手で頭を優しく撫でてあげる……本当は俺がしたいからしているだけだ。


「んにゃぁ……お兄ちゃぁん、陽花幸せ―」


「お兄ちゃんも幸せだよ……さて、歯磨きしちゃおうねぇ」


 陽花を抱きかかえたまま洗面所へと移動する。


「はーい、おみがきしてーっ!!」


「わかってるよ、ほらお口空けてねー」


 素直にお口を開いた陽花に専用の小さい歯ブラシを近づける。


 やっぱり玩具にしか見えない陽花の歯にブラシを当てて、絶対に歯茎を傷つけないよう優しく絶妙な力加減で擦り始める。


 絶対に激しく上下に動かすような真似はしない、どちらかと言えば揺らすような動きだ。


 だけど虫歯にするわけにもいかない、時間をかけて丁寧に綺麗になるよう磨いていく。


「はー……はー……おひいひゃん……まはー……?」


「もう少しだけ待っててねー、あと歯磨きの最中にしゃべったら危ないよー」


 ほんのちょっと陽花の口の端から涎が垂れる……手で拭ってやるとくすぐったそうに身をよじる。


「よしいいよ、ぐじゅぐじゅぺーしようね」

 

「ぐじゅぐじゅ、ぺー……どう陽花のはきれー?」


「どれどれ……うん、きれ……っ!?」


「ちゅーっ!! お兄ちゃんゆだんしたねっ!!」


 久しぶりに無警戒で顔を近づけてしまった……唇を奪われてしまう。


「こらぁっ!! いきなりキスしちゃ駄目でしょっ!! お兄ちゃんあっぷしちゃうよっ!!」

 

「きゃーっ!! こわーいっ!! つぎからちゃんとちゅーするねっていいますっ!!」


「キスしちゃ駄目なのっ!! 全くもう陽花はキスが大好きさんだねぇ……ほら俺も歯磨きするからちょっと待っててね」


「はーいっ!! 陽花がお兄ちゃんのはみがきさんしてあげますっ!!」


 陽花がさっと俺の歯ブラシを両手で確保する……そして歯磨き粉をてんこ盛りにしている。


「よ、陽花さん、そんなに歯磨き粉はいらないよぉ……」

 

「お兄ちゃんがんばってるからとくべつさーびすさんなのぉ、ほらおくちあけてぇ」


「うぅ、不安だよぉ……あーんっ」


 俺の口内に陽花が歯ブラシを差し込み、両手で一生懸命に擦ってくれる。


 人にしてもらう歯磨きはどこか不安だが心地よくもあり、何より陽花が真剣な顔で歯ブラシを動かしている姿が愛おしかった。


(時々……思いっきり歯茎を抉ってるけど……気にしないでおこう……物凄く痛いけど……口内炎出来ないといいなぁ)


「お兄ちゃんってひょっとしてししゅーびょーかなぁ……はぶらしさんまっかっかになっちゃったぁ、いたくない?」


「へーひはよ、ようははひへふれはんははらねぇ」


「なにいってるかわかんないよぉ、ほらぐじゅぐじゅぺーしよ?」


「ぐじゅぐじゅぺー……お水が真っ赤だーっ!!」


 物凄く歯茎が染みる……十回ぐらい口を濯いでようやくほぼ透明な色に戻った。


「ごめんねぇお兄ちゃん……陽花おへただったかも、もっとれんしゅうするからね」


「あ、あはは……出来れば練習はお人形かなんかでしてね……さあお着替えさんだ」


「ええーきょうはこのままでいいよぉ、それよりおあそびさんしよぉー」


「怠け者だなぁ陽花は……だけどせっかくだし遊んじゃおっかー」


 どうせ時間は余っている……ようで限られている。


 できる限り陽花にかまってあげたい。


「じゃあかくれんぼさんしよーっ!! お兄ちゃんおめめとじてーっ!!」


「それは駄目ーっ!! もう引っかかりませんーっ!!」


「ぶぅ……お兄ちゃんったらあんがいうつわがちいさいのねぇ」


「何言ってるの、こんな立派なお兄ちゃんいないでしょ……ほら高い高いしてあげるよ」


 陽花を抱き上げたいだけなのだがごまかして高い高いしてあげる。


「あははーっ!! お兄ちゃんおっきぃーっ!! もっともっとーっ!!」


「ほーら高い高いだーっ!! どうだこの落差っ!! ジェットコースターよりすっごいぞっ!!」


 全身を使って上げ下げを繰り返す……意外に疲れるが陽花の笑顔で即座に癒される。


「わーいわーいっ!! お兄ちゃんたくましーっ!! かっこいーっ!! すてきーっ!! ひゅーひゅーっ!!」


「そうだろうそうだろうっ!! ほらもう一回高い高いっ!!」


「お兄ちゃんさいこーだよぉーっ!! こんどはかたぐるましてーっ!!」


「いいぞぉっ!! ほら頭をしっかりつかんでねっ!!」


 陽花のやんわりした太ももが俺の首に垂れ下がる……太ももというより細ももだなぁ。

 

「お兄ちゃんごうはっしーんっ!! れっつごぉーっ!!」


「よーし行くぞーっ!!」


 陽花をしっかり確保して絶対に落とさないよう気を付けながら早足で家の中を駆け回る。


「陽花おとなになっちゃったみたいっ!! これならお兄ちゃんとちゅーしてもへいきだねっ!!」


「駄目ですーっ!! キスはいけませーんっ!!」


「お兄ちゃんしらないのぉー、おとなはねぇちゅーするのがふつうなんだよぉー」


「少なくともお兄ちゃんは陽花以外とキスしたことは無いよー」


 頼めば矢部先輩はしてくれそうだが……正道さんには食いちぎられそうだ。


「えへへー、じゃあ陽花がお兄ちゃんのはじめてのちゅーのあいてなんだねぇ……これはけっこんしなきゃだめだよねぇ」


「残念だけどそんな法律はないの」


「お兄ちゃんざんねんっていったーっ!! やっぱり陽花とけっこんしたいんでしょっ!!」


「……兄妹じゃ結婚できません」


 少しだけテンションが下がってしまう……そう、俺たちは兄妹なのだ。


「だいじょうぶだよぉ……だってちがつながってないもん」


 だけど陽花は気にした様子はない……だったら俺が暗い顔をして落ち込ませる必要はない。

 

「何処でそういう知識を身に着けてくるのかなぁ……よーし、今日はたっぷり尋問して吐かせちゃうぞーっ!!」


「きゃーお兄ちゃんのえっちぃーっ!!」


「尋問と聞いてその答え……本当に陽花どこで余計な知識を身に着けてくるのさぁ」


「どこだとおもうぅ……そのいちようちえんっ!!」


 まあ俺の目が行き届かないところなどそれぐらいだ。


「そのにぃ……ようちえんのえほんさんっ!!」


「どっちも幼稚園じゃないかぁ……」


「そのさん……ゆきとくんがおしえてくれるっ!!」


「あり得ませんっ!! あの陽花の次ぐらいに可愛く汚れを知らぬ極上の天使が危ない単語を口にするわけがありませんっ!!」


 絶対にない、いくら姉が正道さんと言えど……ちょっとあり得るかもと思ってしまった。


「ぶぅ……お兄ちゃんってゆきとくんにはものすごくあまいよねぇ、そんなにかわいいおとこのこがすきなのぉ?」


「勘弁してくれ……あくまで子供として可愛いだけだよ、それにさっきも言ったけど陽花のほうが可愛いよ」


「えへへ……いじわるいってごめんねぇ、だけど陽花やっぱりお兄ちゃんのいちばんかわいいこでいたかったの」


「大丈夫だよ、俺がこの世で一番かわいいと思ってるのが陽花だからね」


 肩車から降ろして向き合い……耐え切れず抱きしめてしまった。


 小さいぬいぐるみにも似た……だけど全然違う良い抱き心地がする、世界で一番大切な俺の妹。


 ずっと一人で暮らしてきた俺の生活に入り込んだ……渇きを潤してくれた天使。


 戸手ぐらいとしか付き合いが続かず、孤独に生きるしかないと思っていた。


 矢部先輩に出会っても距離を縮めることができなかった、戸手とも距離を測りかねていた俺。


 そんな俺の近くに強引に来てくれた陽花、無邪気に笑顔を向けて懐いてくれた陽花。


 可愛くて愛おしくて仕方がない……陽花が居なければ俺はただの捻くれた男で終わっていただろう。

 

「お兄ちゃぁん、陽花もお兄ちゃんがいちばんだからねぇ……ずっとおそばでこうしてだっこされていたいのぉ」


「そうだなぁ……ずっとかぁ、時間が許せばそうしてもいいかもなぁ」


「きょうはいちにちおやすみさんだよぉ……じかんはたっくさんあるよぉ」


(足りないんだ……陽花が成長するまでの時間じゃ、とても足りない)


 無邪気な陽花の言葉……だけど俺はあと何日こうしていられるのか不安で仕方がない。


 俺は陽花の幸せが世界で一番大切だ、だから成長した陽花が拒めばこんなことは絶対にしない。


 タイムリミットはすぐそばに迫っているかもしれない……全ては陽花の気持ち次第なのだ。


(時々俺は……陽花のお願いを何でも聞いてあげたくなるよ)


 陽花の望み通りキスをして、愛をささやいて……俺しか見えないように育てたくなる。


 だけど兄妹以上の関係になるつもりはない、それではただのエゴだ。


(ずっと一緒に……俺も陽花も成長が止まってしまえば……馬鹿みたいな考えだ……)


「陽花……そうだな、今日はこうして一日中怠けていようか?」


「うーん、だけどおそともいいてんきだしおさんぽさんもいきたいねぇ」


 陽花にはやりたいことがたくさんある、俺はそれを叶えてあげたい。


 俺には他に何もない、したいこともやりたいことも全て陽花のことで埋まっている気がする。


(……おかしいなぁ、もう少し前まではまだまともだったはずなのに)


 どうやら随分と陽花のアピールに惹かれているようだ……だけどもうそれでいいと思う。


 陽花の笑顔さえ見れれば、俺は幸せなのだから。


「じゃあやっぱりお着替えさんしてお出かけさんしましょかね、お嬢様」


「はーいっ!! 陽花おきがえさんしてくるね……のぞかないでね?」


「ちゃんとお外で待ってるよ……陽花が出てくるまでいつまでもね」


「うん、ずっとまっててねぇー」


 自分の部屋に陽花が消えていく……俺はいつまでもドアを未練がましく眺め続けた。

 【読者の皆様にお願いがあります】



 この作品を読んでいただきありがとうございます。

 

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