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6話 日常的な朝

食器の片付けも終わり、綾と絵梨は事務所の風呂に入っていた。

その間に江崎は絵梨が寝る場所と自分の寝場所を作っていた。

事務所の奥には、元々彼が生活するスペースがありそこにはベッドもあった。

だが、彼の居住スペースは雑誌やペットボトルのゴミなどが散乱している状態だった。

2人が風呂から出てくるまでにごみ袋に入れて寝れるようにしないといけなかった。

20分くらいすると2人は風呂から出て、絵梨の長い髪を綾が乾かしていた。

「お風呂気持ちよかった~」

と満足そうにしている絵梨を見て、2人ほっとしていた。

一時はどうなるかと思ったが、普通の少女みたいに笑い、楽しんでいる。

そして、彼女をベッドに寝かしつけた綾は

「じゃあ、私はこれで帰りますね」

と言ってそっと事務所をあとにした。

彼はやっと安心して寝れると思いソファで寝ようとするとベッドの方から声がした。

「お父さん、お母さんどこにいるの?」

と彼女が泣きながら言っていた。

両親がいなくなる夢を見ていたのだった。

そっと彼は彼女の横に行き

「そばにいるから安心して寝ろ」

と言って彼女の手を握ると少しニコッとしてうなされなくなった。

翌日、朝早くに綾が出勤してきた。

「おはようございます~」

事務所を覗くとソファで寝ているはずの彼の姿が見当たらなかった。

そっとベッドがある部屋を覗くと彼が少女の手を握って寝ている姿があった。

その姿を見て、微笑みながら2人を起こさないように給湯室で2人分の朝食を作り始めた。

フライパンで目玉焼きを作っていると目をこすりながら彼が部屋から出てきた。

「おはよう~こんな時間から来なくても俺が飯くらい作るんだが」

「はぁ、昨日の事があったの忘れてます?

 もし絵梨ちゃんが見てパニックになったらどうするんですか!」

と叱られながらソファに座ると同時に携帯のメールを確認した。

『なにか進展があったのか?』

と昨夜送っておいたメールの返信が来ていた。

しかも、時間は送って10分くらいしてから返信が来ていた。

焦ってメールを返信した。

『まあ、ちょっとメールでは長いから行くって送っただろ』

その後、すぐに返信が来た。

『年上にそのメールの送り方はやめろ(怒)』

その返事を読み終わったくらいに朝食ができた。

「じゃあ、私が起こしてきますね」

と言って部屋に行こうとした時、目を擦りながら出てきた。

「おはようございます」

と挨拶をしながら可愛らしくお辞儀をした。

そして、2人が朝食を食べている間に綾が絵梨の着る服の準備をしに居住スペースに行った。

その間に食事が終わった2人は

「じゃあ、今日はお姉ちゃんとお留守番しててくれるかな?」

いつもとは違う声のトーンで話していた。

「うん!どこかお外に遊びに行くのは?」

「お姉ちゃんから離れずに行くならいいよ」

というと彼女は喜んでいた。

そんな話をしている間に彼女の着替えの準備が出来て呼びに来た。

その瞬間、絵梨は綾に飛びついた。

「ねぇ、お姉ちゃん。今日外に遊びに行きたい!」

「じゃあ、着替えて顔洗って歯磨きしてから外に行こうか」

「はーい」

絵梨は綾に言われたことを全て1人でやっていた。

その間に彼は

「じゃあ、彼女のことお願いします。

 俺はあのバカ刑事に話をしてくるから」

「本当に外に行ってもいいんですか?」

「寺下からしたら外で遊ばすなって言われるだろうけど、ずっと部屋にいたりするのも可哀想だろう」

「分かりました。こちらも何かあったら連絡入れるようにはします。」

「よろしく頼む」

と言って事務所をあとにした。

つづく

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