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世の中顔だよ


「アッハハハハ、いやいいリアクションしますね鶴見さん」




貞子と一緒にテレビを戻していたら、今井の野郎が入って来やがった。(あの後変な間があり僕がテレビを戻そうとしたら手伝ってくれた。すごい親切)




「イヤー、マジでウケたわ」




あれ?いつの間にかベルがいる。




「いつから居たの?」




「最初からだ。結界張ってお前が見れないようにしたんだよ」




ベルもグルかよ。




「取りあえず最初から説明してくれない?なんでテレビから貞子が出てきたんだよ。イヤ貞子ってそういうものだけど!」




すると今井は笑いながら




「貞子じゃなく小夜子さよこですよ、小夜子。こいつは幽霊で記録を保存できるものに憑りつくんです」




と答えた。コイツいつもヘラヘラ笑ってる気がする。




「なるほど。じゃ、なんで部屋が暗くなったんだ」




「あれを使ったんです」




と言って部屋の隅にあった間接照明を指差した。




「あれは<消明灯>《しょうめいとう》といってつけると暗くなる照明なんですよ。あんまり使い所がないんで使えて良かったです」




なんか怒るのを通り越して感心してきた。本当なんでもできるよね。




「もういいよ……今日は帰る」




そう言って部屋を出ようとすると




「オイ、待て」




とベルに呼び止められた。何だろう。




「次の土曜に新作のラノベが発売されるんだけどよ。、初回特典でおまけの小説がついてくるらしいんだ。ネットでは売って無いから買いに行きたいんだけどどこに売ってるかわからないから案内してくんない?」




なるほど、それなら池袋とかに売ってそうだな。




「わかった。じゃあ次の土曜に駅でね」




「おう。当日は人化していくから。駿も来る?」




「いえ、大丈夫です」






そして当日、僕は後悔した。今井が来なかった理由をもっと考えれば良かった。今井だからと決めつけず何故行かないかを本人に聞けば良かった。




「電車って人多いな」




「ああ、うん……」




ベルはちゃんと、人間になれてはいた。少なくとも角や、尻尾が生えていたりはしなかった。体は普通の人間だった。体は。


問題は顔だ。最初見たときこんな汚い顔がこの世にあるのかと思った。




凹凸の多い顔


異様に小さい目


妙に大きい鼻縦に長い顔


分厚い唇




僕は自分の顔がそこまでいいものだと思ってない。だがこの顔よりかは数倍いいと自信を持って言える。


見るのも嫌、というか知り合いだと思われたくない。


にもかかわらずガンガン話しかけてくる。無視しているのに気づかないのだろうか。


て言うかこう言うのって普通美形になるだろ!なんでここまでひどいんだ?




そうしている内に池袋についた。僕は出来るだけベルと距離をおいて歩く。


案内するという約束だったから少し離れても問題ない。


そして駅からでてすぐに事件は起きた。




チラチラベルとの距離を確認しながら歩いているとベルが、警察の人に話しかけられていた。


ア、アイツまさか顔が酷いって理由だけで職質されたのか!?顔だけで!?(幸いすぐ解放された)




「あれってケーサツってやつだろ?なんで色々聞かれたんだ?」




理由が全くわかってないベルについに言ってしまった。




「顔じゃないかな……」




「え、顔?」




「顔。すごい不細工」




「そんなにヒドいか?」




「ヒドい」




「……そうか。」




そう言うとベルはパッと消えた。多分結界を張ったんだろう。


そして




「これでどうだ?」


と言う声とともにパッと現れた。




愕然とした。




黒髪ショートの美少女がそこにいた。しかもとびっきりの。


すげえ。アイドル48人の中にいても違和感ない、どころか頭一つ抜けて可愛いと思う。




「ベル……さん?」




「ああ、そうだけど」




声が可愛い。




「女型になるのは久しぶりだぜ。駿にも見せたこと無いからな」




「さ、さいで」


この人(悪魔)さっきと同じなの?




「じゃ、行こうぜ。初回版売り切れちまう」




「ああ、そうだね」




最初は来なきゃ良かったと思った。でも今は切実に思う。








きてよかった!!!!!!






この後本買ってお茶して帰った。

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