ビフォーアフター
なんということでしょう。
昨日まで大分キレイだった位のトイレがおしゃれな部屋になったではありませんか。
タイルだった床は赤い絨毯が敷いてあり、壁は白い壁紙が張られていた。
照明は白色からオレンジ色へと変わっていて部屋の隅に間接照明も置かれている。
便器はベルが座っている物以外全て消えていて小便器が置いてあった場所にソファーが置いてある。
そのソファーの前に黒い机がありウォーターサーバーや冷蔵庫、エアコン、Wi-Fiまで完備されていた。
そんな中にあるベルの便器は異常に目立った。
「ねえ、これ誰が匠?」
「私ですが?」
やっぱな。
「お前、けっこう有能なんだね。ベルに頼まれたのこれ」
「いえ、私が勝手に模様替えしたんですよ」
勝手に!?
「なんで?これだけ変えるのは大変だったんじゃない?」
そう言うと今井は、何コイツは分かりきったこと聞いてんだとでも言いたそうな顔で
「あんな小汚い所にいるのは嫌なんですよ」
と答えやがった。
「今お前、雇い主が居たところを小汚いって言っちゃったよ」
「まあ、ベル様がいれば言ってなかったんですがね」
とことん忠誠心が無いな……
しかしそうなのだ。模様替えのインパクトが強すぎて忘れていたが、さっきからベルの姿が見えないのである。
「どっか行ったのかな?」
「多分そうでしょうね……やれやれ。面倒ですがそこらを適当に探してきます。テレビでも見てて待ってて下さい」
本当に面倒そうに言うと今井は外にでてった。何だアイツ。
そう思いながらソファーに腰をかける。しかしベルが外出か、するんだねアイツもこういうこと。
……いや待てよ。ベルって移動の時便器に座ったまま移動するのか?それとも立って移動するのか?ベルの座っているとこしか見たこと無いから想像もつかない。ネットで調べた時便器に座った悪魔って書いてあったからやっぱ便器に座ったままか。
いや便器はここに置いてあるし……どうなんだろう。
わたし、気になります!
そんなこと考えているとテレビに異変が起こった。
ザザ……ザザザ……
ノイズが鳴ったと思ったらテレビに何か映った、リモコンを押した訳ではない。
なんだコレ、井戸?なんだ井戸か。……井戸?井戸!?
ちょ、ま、この流れってもしかして……
うわやっぱ出てきたよ。貞子。なんで出てきたんだ。
しかし大丈夫。逃げればいい。あの映画見たこと無いからよく知らないけど今井やベルなら勝てるだろう。
ん?あれ?開かない。ドアが開かない!
どうしよう、このままだとろくでもない事になることだけは間違いない。
貞子は少しずつだが近づいてきている。近づいて来るほど何故か部屋が暗くなる。怖い。
マジでどうしよう、取りあえず今は机でテレビに蓋をしているがこんなんが効くとは思えない。
うん?蓋?そうだ蓋だ!思いついた。貞子を出さない方法を!
やり方は簡単。テレビを画面を下にして倒します。テレビに乗ります。以上。
これで貞子はテレビから出れない。かなり不安だが今はもうこれしか思いつかない。
それから少しの間テレビに乗っていたが何も起きなかった。
もう大丈夫かなと思った瞬間目の前に現れた。
「》*》《_@~*#!?」
変な声が出た。
理由は単純、貞子が居たのと貞子が見たことあるプラカードを持っていたからだ。
それにはこう書いてあった。
ドッキリ大成功