バレなきゃイカサマじゃあねえんだぜ
今井から決して軽くないCDラジオをスクールバッグに無理矢理詰め今井に声をかける。
「今から別館行くけどお前も来る?」
すると笑って
「ご一緒します」
と答えた。
着くとベルはテレビゲームで格ゲーをしていた。
「よぉ、祐介、駿」
「ベル、お前それどっから持ってきてんの」
うん?ちょっと待って。
僕は今井の方をバッと向いた。
「お前の本名今井駿!?」
「さっき言ったじゃないですか」
「そんな名前の悪魔もいるんだ……誰そんな名前つけた奴」
「私です」
「自分で!?」
「私は生まれてからすぐベル様の執事になったので名前が必要無かったんです。そしてこの学校に入学する際に名前が必要になったので自分で今井駿と名乗りました」
「名前付ける前のやり取りはどうしてたんだよ?」
「おいとはいで成り立ってましたね」
熟年夫婦みたいだな。
「おい、そんなことより対戦しようぜ対戦」
「ああ、忘れてた。そんなことよりそのテレビとゲームどうしたんだよ」
「あ、それ私が作ったんです」
おまえか!
「私は私の力を超えない限りどんな物でも創ることが出来るんです。あのCDラジオを創ったのも私ですよ」
あれも!?
「スゴいな!僕悪魔に会ってから初めて悪魔をすごいと思ったよ!」
「いえいえ、それほどでもありませんよ。ベル様も同じことが出来ますしね」
ベルも!?
「とはいえ、性能は天と地程の差がありますがね。私が鳥取砂丘ならベル様はサハラ砂漠です」
……なんで砂漠で例えるのかわからないがさすが七つの大罪の悪魔。やっぱ強いんだね。
「なあやろうぜ対戦!コンピューターとはもう飽ちまったよ」
「ああ、ハイハイ。言っとくけど僕これ強いかな」
先に三回勝った方が勝ちというルールで対戦したのだが、圧勝した。弱い弱すぎる。
「そんな……祐介になら勝てると思ったのに……」
コンピューターにも負けてたのかよ。
「鶴見さんお強いですね。私ともやりませんか?」
「いいよ。ルールは同じね」
一戦目、二戦目ともに勝利し(ベルより断然強かったが)大したこと無いなと思いながら三戦目に突入した。甘かった。
こっちの攻撃はすべてよけられ、確実にコンボを決められ、裏を読んでもその裏も読まれる。その後一回も勝てず負けた。
「お前強すぎだろ……三戦目からどうしたんだ」
思わず質問すると
「いえ、コレのおかげですよ」
と言ってかけてた眼鏡を取り出した。あれ?コイツ眼鏡かけてなかったよな。
「これは <伊達じゃない伊達眼鏡> といって視力や動体視力など目に関する力を軒並み上げる効果がある眼鏡何です。ちなみに私が創りました」
うん。まずネーミングセンスが無い。それとそんなん使うんじゃない。
「さすが悪魔だな、やることが汚い」
皮肉ってそう言うと、
「過程や方法などどうでもよいのだ」
とドヤ顔で答えられた。
いやそれ吸血鬼だろ。
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