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近未来でコロシアム

作者: 西ノ宮 譲

この小説はpixivで連載していますので、よかったら見てください。

注意タイトルは少し違います。

AD2060年

人類は飛躍的な進歩を見せていた、人工知能の発達により商業、農業、建築、運搬、学習機構果ては法までもが立案再構築されて行った。

その結果おおよそ人類に仕事というものは無くなりそんな人類を人工知能達は存在意義無しと判断し、当初は抹消しようとしていた、しかしとある知能によって人類は死を免れた、しかしその代わり手にしたモノは人類の完全なる奴隷化であった。


息を切らせ走りながら腕についた装置を操作する

自分の体力を確認すると残りは3ptあと一回でも殴られたらおしまい。

それに比べて相手の体力は30pt差は歴然だった。

自分の持ち物を確認する。ボムが2つと折れたナイフにダートが3本、それと今着ている耐衝熱ジャケットに回復用アンプルが一本。

頭の中で戦略を練るフィールドの状況と今の持ち物…

相手はわざと音が鳴るように歩いているその音から離れるように駈け出す。

とそれに気づいたのか追って来る。

走り続けると行き止まりに着くマップ通りだここで仕掛ける

来ていたジャケットを脱ぎ腕に巻くとボムを通路に設置し回復アンプルを使う体力が13ptに回復すると通路の向こうから声が聞こえる

「無駄なあがきだ今さら回復しても意味ねえことぐらい分かるだろ?」

コツコツと足音を鳴らしながら近づいて来る

そいつにダートを一本陰から投げるそれを奴は避けると奥から金属音が聞こえる。

「だから足掻くなって、とっとと終わらせろ!」

歩く速度を上げついには走りながらこちらに向かってくる。

「はっははぁ!見つけたぁ!」

そう言うと懐から投げナイフを3本投げる

私はそれをギリギリで避けるが腕をかすめてしまう体力が1pt減ると彼の頭上にダートをもう一本投げる

「はっはぁどこに投げてんだ?」

彼がそう言う間にもう一本ダートを彼の頭上に投げる

「だから、どこに投げて…!」

彼が言い終わる前に頭の上で爆発が起こる上手くボムにダートが当たったようだ彼は衝撃でその場にうずくまる彼に近づくと無防備な背中に時限ボムを付ける。

「これで終わりね」

通路に逃げると爆発音が鳴り響くその瞬間フィールドにブザーが鳴る。体力を確認すると残りは1ptギリギリで終わった。

フィールドの天井が開き周囲から歓声が聞こえると四方に設置されたスピーカーからアナウンスが響く

「んーー!今回も彼女の勝利だああ!!おめでとう!製造番号20019-t!君は本当に運がいいな!それでは次の試合までしばらくお待ちください!!」

するとフィールドが下に落ちていき数人の人間がせり上がってくる私はそれを尻目にフィールドの外へ出ると近くの通路を進む。

ここは人間専用のコロシアム私は闘士としてこの場所にいる目的は軍事用知能による娯楽の実証実験のためだ。

より効率の良い娯楽はどれなのかを探ることで軍事中の兵士の疲弊を減らせるか?それが彼の研究だった。そのために私達は腕に装置を付けられ体の大半を機械に改造された。

忌々しいその装置には私達の情報が全て記載されている。健康状態、個人的な戦闘能力、怪我の状態から生理周期まですべて管理されている。今の私の状態には外部損傷軽度と出ている。

通路を抜けるとそこは私の宿舎につながっている。19連勝が今の私の記録だ。宿舎は5連勝すると与えられる代わりに1日の出場回数は跳ね上がり4時間に1回は駆り出される。

私は怪我の治療を専属のエンジニアに任せ横になる。

「今日もすごい怪我ですね。マキさん」

彼女が私のエンジニアなぜか私をマキと呼ぶ。

「黙って直して、ゆかり」

私がそう言うと彼女は少し悲しげな顔をする。

新しいナノテック表皮が私の火傷や燃えてしまった髪を再生すると腹部を開き内臓のチェックをされる。

「ちょっと変なとこに手入れないで」

彼女は私の下腹部の方に内側から手を入れていた

「すいません、でもここに金属片が入り込んでいるので。取り出さないと。」

彼女は少し顔を赤らめながら言う私はそれを見ていると取り出し終わったのか腹部を閉める。

「どこかに異常を感じたりはしませんか?」

彼女に聞かれるが私はそれを沈黙で返す。

「それでは、また後で。」

道具箱を持ち自室に戻っていく。

私は横になったままスリープモードに入る。

夢を見た誰かと一緒になって何かから逃げるように走っている。

前を走っていると後ろで誰かが転ぶ。

振り返ると紫色の長い髪の女の子が倒れていた。それを助け起こし走るがその子は怪我をしてしまったようで痛がって走れない。

その子を一人その方向へ歩かせると戻って別の道に走り出すそっちには大きな棒を持った白い人たちがいてその人達は私を見つけると一斉に追いかけてくる

懸命に走るが髪を掴まれてしまうテカテカと光るその身体に私の姿が映る。

金髪で長い髪頭の上で髪が二本だけ跳ねている。そんな私にロボットの一人が注射を当てると目の前が暗くなる。

部屋中に響くサイレンの音でスリープモードから目を覚ます。

次の出場が決まったようだ。私は次の相手を確認すり。

小さな女の子で2人組、赤い髪と青い髪の二人武器両方ともナイフと単発銃。最近はこのスタイルが多くなった。おかげで対策もしやすい、私はボムとナイフといういつものスタイルで行く防具は耐衝熱ジャケットとその下にナイフホルスター付きのベストを着ると遠距離用のダートを数本そこに入れ腰に予備ナイフを刺す。

体力を回復アンプルを3つ持つとさっきの通路を進むと

アナウンスが鳴り響く

「さぁ!お待ちかね!赤コーナーにはとうコロッセオの花形!製造番号20019-tの入場ダァ!彼女のボムがまたも挑戦者を吹き飛ばすのかぁ!青コーナーからはここまで負けなし双子の登場!製造番号3018-k&o!この二体が彼女の連勝を止めるのかぁ!選手フィールドに入って!さぁ今回のフィールドはぁ!山岳地帯であす!それではフィールドオープン!」

地面がせり上がり茶色い岩場がそびえ立つ。

「それでは!ピッグイン!!」

その掛け声と共に私は中心に向かって走り出す。

このフィールドは私の得意中の得意だ。山岳の合間、合間窪みがありそこに身をひそめながら進む。フィールドの中心にたどり着くと目の前の1番大きな山のふもとに身を隠すとどこからか声が聞こえる

「これが例のすごい強い旧式さんか」

「お姉ちゃん。あんまり強そうに見えないね」

岩場に反響して何処から聞こえてるのか分からない。

「まぁそう言うなや、ここまで19連勝もしとるすごい人やで?ちっとは敬意はらわんと」

訛りのある声が辺りから聞こえる

「うん、わかったよお姉ちゃんでもさ、私たちがその記録を止めればそんな事しなくていいんだよ?」

山の間から笑い声が木霊すると。

「それもそうやなさすがアオイや、賢いな」

「えへへ、お姉ちゃんに褒められた。」

銃の安全装置が外れる音が鳴る

「そいじゃ…そろそろ…」

「うん。殺っちゃおうか」

銃声が鳴り響く私はそこから右に転がるとさっきまで私がいた場所に穴が開く。飛んできた先を見るが既に何もいない。するとまた銃声が鳴る転がりながらそれを避けると銃声を背にし岩の後ろに隠れる。

近くで岩に何かを擦り付ける音が響く。

サッとしゃがむとナイフが一本私の顔のあった位置に飛んでくる。

と青い髪が目の前の岩に隠れるのが見えた私はダートに着けたボムを1つ投げる次元式のそれは岩に刺さる直前爆発する。

周囲を吹き飛ばすがそこには何もなかった。

突然頭上から音がすり見上げると赤い髪が見えるとっさに前転しその場を離れるとそれを追いかけるように銃声が2つなる。岩の後ろに身を隠そうとした瞬間足に1発当たる

「グァ!」

服と皮膚を裂かれたが歩けなくなるほどではなかった。

私はさっきの岩にボム付きダートを投げるとそこを破壊する。

クスクスと笑う声が聞こえる

「やるね旧式さん。今までの奴らやったら、今ので終わっとった。」

「思ったよりやるねお姉ちゃんそれにしてもあんなにボム投げていいのかな?」

声が聞こえる方に2つボムを投げる

「せやなアオイ、あんなに投げたらいつか隠れるとこ無くなってまうな。」

「お姉ちゃんそうなったらあの人すぐにやられちゃうね」

笑い声の中に金属音が混ざる私はそこから離れると岩場にナイフが刺さる

「本当にすごいね、フェイクが全然効かないや。」

「しゃあないなここからは正攻法で行こか。」

声が止むと共に岩場から走り出す。

背後から何かが近ずく音が聞こえる。銃を打たれないように岩に隠れるナイフを構える荒い呼吸を整え音のする方に顔を向けるが何もいない。

ハッと気づき岩の側を離れると真上からナイフが飛んでくる飛び出してくるのを読んでいたのか銃声が一緒に聞こえる私は横に転がりながら岩の間をすり抜ける。

「アオイは射撃ほんまに下手やな」

面白そうに話す声が聞こえる。

「お姉ちゃんだって気配消すの下手じゃない」

少し機嫌悪そうにそう返す声いい加減うんざりする。

「あなた達はゲーム好き?」

初めて私は彼女たちに話しかけるとマップを開く。

「なんやあの人?しゃべれんと思っとたは」

「そうだね何か仕掛けてるのかな?」

私はマップで現在地と周囲の状況を見る。さっき私が来た方向と位置を今までの行動から予測する。

「ゲームは好きなの?嫌いなの?」

もう一度そう聞くと訛りの強い方が答える

「ウチはゲームは大好きやでいつもアオイと一緒にやるんや」

「おねえちゃん自分より弱い奴嫌いだもんね。」

彼女達の性格を把握すると

「それじゃゲームをしましょう?宝探しゲーム。探すのはあなた達で宝は私。」

入った途端にゲラゲラと笑う声が聞こえる

「何言ってんのや?それならゲームもう終わってるやん、既に見つけてるんやからそれでしまいや」

「お姉ちゃんあの人思ったより頭悪いね。」

荒い息が整い始める

「見つけた宝を手にするまでがゲームでしょ?それとも近づくのが怖い?」

私のその挑発に訛っている方が食いつく

「ああん!?なめとんのか?さっきから何度も近く行ってるやんけ!いてまうぞボケ」

それに対しもう1つの声が

「お姉ちゃんやすい挑発だよ、それにダメージは確実に与えてるんだから急がなくってもじきに倒せるよ。」

短く舌打ちをする、あっちの方は随分と冷静だ。

「そんなこと言ってあなた達怖いんでしょう?そうだよね怖がりだから二人でいるんだもんね。」

私はその場をゆっくりと移動しながら彼女達に話しかける

「どういう意味?」

二人が食いつく少しほくそ笑む。

「そのままの意味だよ。一人じゃ何もできないから二人でいるんだよね?お姉ちゃんにおんぶ抱っこしなきゃ歩けないんでしょ?」

金属音と共に今まさに通り過ぎようとしたところに弾丸が刺さるマップを見て場所を予測する。

「おう、ふざけんなやウチはええけどアオイの事は許さんぞ。」

上手くいった。

「お姉ちゃんいいから挑発に乗らないで」

さっきと同じように冷静に振舞っているようだが声に怒気を含んでいるのがわかる。

私はさっきの銃声がする方にもダートを投げる

「また、爆破かいな、あんさんやる気あるんか?」

大体の位置が把握できた。私はそこから走ると銃声が鳴り響く。

岩場を縫うように走り私は入ってきたゲートが見える場所に着いた。

「チェックメイトや、とっととくたばり」

その声の方にボムを着けたダートを投げる

「だから何度も同じ手使うなや!!」

岩の陰から赤い髪の女の子が両手に銃を構えながら飛び出してくるその方向にナイフを投げる

「残念宝物はミミックでした。」

彼女の額にナイフが突き刺さるとさっきのボムが爆発する腕を見ると相手の体力が1つ無くなる。

それと共に近くの岩から絶叫が聞こえる

「うわあああああ!!!お姉ちゃんをよくもおおおお!!」

岩場を縫いながら近づいてくるその陰に私はナイフを投げると

「そこ、地雷ありますよ。」

地面に埋まったボムにナイフが辺り連鎖爆発が起きる。

何が起こったのか分からない顔で私の前に彼女は上半身だけ飛んでくる。

「このエリア最初からボムを仕掛けておいたんです。あなた達はいつの間にか私の地雷原に入り込んでたんですよ。」

私はナイフを片手に彼女に近づく

「や、やだ!死にたくない!いやああ!」

彼女の額にナイフを突き刺すとブザーが鳴り歓声が響く

「うおおおおお!!ついについに!!20連勝!!これは伝説の彼女に迫る記録です!!さぁさぁ今回の勝利を噛み締め次回の死合を楽しみにしましょう!!それでは皆さま!3日後!にまたお会いしましょう!!実況は私!製造番号20-kがお送りしましたぁ!」


フィールドが降りていきゲートが開くと私はまた通路に向かう。

宿舎に着くとソファーに座りテレビをつける。

闘士は奴隷の中でも優遇されていた。

だから私は数ある仕事の中でこれを選んだ。

確かに体はボロボロになるし体は痛いが。

快適な暮らしは約束される、私はさっき戦った二人を思い出す。

仲の良い姉妹だったのだろう。

家族と言うのはああいうのを言うのかもしれない私はソファから立ち上がりキッチンに向かうとゆかりが何かを作っていた。

「また、何作ってんの?」

私が声をかけると鍋の火を弱めると

「えへへ、その、シチューを作ったんです。マキさん昔好きだったから。」

彼女の言ってることが分からない私はそんな物を食べたことはなかった。

けれど作ったものを捨てさせるのもなんだったので私はテーブルに着く。

その行動に彼女の目が輝く。

「もうすぐできますから、ちょっと待っててくださいね。」

そう言うと鍋をかき混ぜる。

家族、彼女と私も家族なのだろうか?血のつながりはきっと無い私の元に派遣されているだけのこの子はなぜか私の面倒をやたらと見る。

さっきの姉妹も毎日こんな感じだったのかなと思うと胸に穴が開くような気がする。

「出来ました!食べましょう。」

彼女が私の前に皿を置くと私の正面に彼女も座る

「いただきます。」

彼女が手を合わせ言うその前に私はそれに手を付ける。

しばらく黙々と食べているとそれを嬉しそうに彼女が見ているのに気づく

「何?」

食べる手を止めそう聞くと慌てるように

「いえ、その、あの、美味しいですか?」

目の前の皿に目を落とす。濃いスープに芋や野菜が入っていてそこに牛乳が入ってる。

初めて食べるそれは確かに美味しい

「うん、美味しいよなんで?」

そう答えるとゆかりは満面の笑みを浮かべ自分も食べ始める。

彼女が何をしたいのか分からないけれど喜んだならいいかとまた私も食べる。

食べ終わるとまたソファーに戻る

明日は休みだ何をするか考えているとキッチンから上機嫌なゆかりが出てくる何のけなしに彼女に声を掛ける

「なぁ、ゆかりさ…」

自室に戻ろうとしていた彼女は足を止め振り返る

「なんですか?マキさん。」

彼女の方を振り返りながら

「明日。どっか行きたい?」

本当になんとなく聞いただけだった。そんな彼女はさっきよりも嬉しそうな顔をすると

「あります!マキさんと一緒に行きたいところ!」

ふーんと応えテレビに顔を戻すと

「明日さ…そこ行こっか。」

聞くが早いか彼女は嬉しそうに「はい!」と言うと

鼻歌を交えながら自室に戻っていった。

頭を掻きながらなんであんなこと聞いたのか分からなくなると私はテレビを消して

シャワーを浴び自室に戻るとベッドに倒れこんだ。

久しぶりに出かけるのかぁ。

何か買おうかな…

目を瞑るとすぐに眠ってしまった。

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