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【詩集】日常から

待ちぼうけ

作者: につき

汚れているわけではない

それほど形の悪いわけでもないと思う

この手のひらに載せているのは

見えはしない罪

死してしか贖えない裏切りの罪

きっとだから

毎日毎日毒薬をのんでいる

どこかへ消えてしまいたいと思って


裏切ったのはわたしの純心

ちちははより託された穢れの無いもの

日々こっそりと悪い言葉を吐きながら

人当たりのいい顔をして

後ろめたさで卑屈になっている

あたりに満ちている叙情は

わたしに詩を書かせるのに

ちっともわたし自身は透き通らない


いつからあるのか分からない

片隅に忘れられた

得体のしれない濁った液体のように

わたしの底で沈殿していく後悔

決してとりもどせない明日

罪人の額には憂いの入れ墨がある

白日に晒されたままで道を歩く


それでもこんなわたしでも

見えていて感じている

揺れ動く季節の狭間の不安

衰える夏の老醜

若さに光る秋の横顔

やがてはうつろうものよ

またわたしにあの焦燥を

じりじりする刹那的な永遠への焦がれを

具象化した別れのイメージを

身体に纏うがごとく

降りしきる静かな雨となって

皮膚に沁みてくる

叶わない約束の待ちぼうけに

お読み頂いてありがとうございます。

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