第十六話 最終章完結 未来
ここは、ベルカ王国のあの魔法学校だ。
ホームルームの時間に、ある事件は起きた。
「アリヴィナさん?」
「どうしたの? リリーシャ」
「これ、あ・げ・るっ!」
リリーシャは、アリヴィナに何かを手渡した。
「えっ、なんだろ……?」
アリヴィナはすっかり喜んで手の中を開いた。
「ッッッ!?」
が、そこには、ミミズがのたうっていた。
「ぎゃああああああああああああ!?」
アリヴィナは慌ててミミズを放り投げた。ミミズが嫌いとはとても意外だ。どんな生物でも無敵のような気がするのに。
「あーっはっはっはは! だまされたわね、アリヴィナ!」
「なっ!? 元のリリーシャがっ!? 悪夢だ……っ!」
アリヴィナだけは、香姫のリリーシャでいてほしかったらしい。ミミズを見たまま机に突っ伏してしまった。
「あーあ、元のリリーシャ様のお帰りか」
ガーサイドは、苦笑して元のリリーシャを眺めている。
その時、シャード先生がいつものように教室に入って来た。いつもより、明るい表情なのは気のせいだろうか。
「何をやっている? 席に着きなさい!」
そして、私は、開いたドアから教室に入ってきた。私の珍しい黒髪と黒目に教室がざわめいた。
「紹介しよう。新しいクラスメイトだ」
教室のみんなは嬉しそうにざわめいた。
「リリーシャ、来たね?」
「そうね、クェンティン」
前の席で、隣同士になったリリーシャとクェンティンが手を振っている。
そして、少し離れた場所でホンモノのジュリアスも。
「初めまして! 鳥居香姫です! よろしくお願いします!」
そして、私は新しくファルコン組に入ることになった。
★*゜*☆*゜**゜*☆*゜*★*゜*☆*゜**゜*☆*゜*★*゜*☆*゜**゜*☆*゜*★
・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o○☆*゜¨゜
お父さん、お母さん、みんなは元気かな?
そっちには帰れそうにないけど、私は澄恋君やみんなと仲良くやっているよ。
だから、心配しないでね?
・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o○☆*゜¨゜
「よし!」
私は、紙に手紙を書いて、紙飛行機を折った。
そして、開いた窓から空へ飛ばしたのだった。
今日も晴れ。私は、元気です。
一つの紙飛行機が真っ青な空に浮かんでいる。
「香姫!」
向こうで澄恋が手を振っている。私は、笑顔で駆けだしたのだった。
☆…┓┏━┓☆…┓┏━┓☆…┓┏━┓
┃最┃┃終┃┃章┃┃完┃┃結┃┃!┃
┗━┛┗…★┗━┛┗…★┗━┛┗…★
◆◇◆――お付き合いくださってありがとうございました!――◆◇◆




