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魔法使いの恋  作者: にしのかなで
序章
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王都フロレンツ

宿での一夜はオブリーにもぐっすりと安眠をもたらし、まるで離れに帰ったようだったと二人は話し合った。そして今日、やっと王都フロレンツに辿り着く。ここからは王宮に向かうのみで既に城が遠くに見える。これは、いま読まないと時間がないと思い立ち鞄から2通目の手紙を出す。今度は緊張を解す作用の薫りがした。


ー親愛なるルディ様

宿ではよく眠れましたか?いよいよ、王都フロレンツですね。アデーレとはどの様な違いがあるのでしょうか?

私の想像では、お城が見えた頃にこの手紙が読まれているのではないかと思います。今日はルディ様が奥様に留守の間独りでは心細いだろうが私を本邸の侍女部屋でなく、出来れば馴染みのある離れに住まわせ管理をさせて欲しいと頼んでくださった日です。お心遣いありがとうございます。昼間はフェンリルさんが来てくれますし、オブリーさんとお二人で抗議なさったそうですがアナスタシア様もいらっしゃって、離れでは癒術や薬草学を教えて下さいます。他にもお作法などを習う事になりました、空いた時間には乗馬などを教えて頂いています。お二人は危ないからと反対なさいますが私は楽しく学んでいるんですよ。侍女の仕事でも身体は使いますがアナスタシア様の教えて下さる護身術などは役に立ちますし身体を動かすのは楽しいです(実は一人でお買い物に行けるわよ、と言われてますのでそれが楽しみなんです)。今日は客間でお茶のお作法を習っていたのですが丁度オブリーさんが通りかかって、お嬢様が留学になぜ執事が付いて行くのかと笑顔なのですがその場の空気がヒヤリと冷え込む様な問いかけを納得行くまでなさっていました。身分のある方でも不自由な事があるのですね。そう言えばお嬢様はお二人が旅の途中で必ずご自身の噂話をするだろうと仰ってました。アナスタシア様を自由にして下さる方が早く見つかるといいのにと私もつい肩入れして話を聞いてしまいました。でも、私にはなぜだかすぐにではないけれどアナスタシア様に相応しい殿方がもう現れていていますぐには無理なのですがそう遠くない未来に幸せなご結婚をされる予感がします。これは、誰にも言ってないのですがなぜだか確信が持てるのです。内緒ですよ。ですから、お嬢様といられる間にたくさんの事を学び取りたいと思いますのでどうか、危なく思われるかもしれませんがお嬢様のご指導を受け続ける事をお許しくださいませ。

長くなってしまいました。この後はお城に入られるのですよね。おば様がご心配なさってましたけど大丈夫。ルディ様は立派に国王様との謁見を終えられます。緊張されるかと思い、今回はこの薫りを仕込んでみました。効果はいかがですか?それでは、次の手紙は思い出した時にお読み下さいませ。ニ年間お二人がいらっしゃらないのは心細いですが、留守中の離れはしっかりと守って見せます。

では、お体にお気を付けて。

アレクシア・カーテローゼ・ハプトマンよりー

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