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魔法使いの恋  作者: にしのかなで
五章
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迷惑な見舞客2

「う〜ん、ここは羽を伸ばせていいなぁ〜」


結局アルべリヒは剣術の後、離れで湯浴みをし(ご丁寧に着替えを持ってきていた)いまは客間でまるでこの離れの主の様に寛いでいる。


「アルベリヒ殿下、さっきもカリンが進言していましたがこちらより王宮の中の方が安全ですのでなるべくあちらにおいでになった方が・・・」


「固いこと言うなよルディ。これでも私は本当にお前を心配しているんだ。それに、そろそろ本命が現れる頃じゃないかなぁ?」


「本命?」


「ブランディーヌ・デ・ブロワト男爵令嬢。侍女の埋葬にカリンが参列した時、お前の体調が悪いと言ってあるんだ。」


「・・・それは、殿下が命ぜられたのですか?」


「そう。是非本人に会ってみたいからね。半端な知識で侍女が命を落とす様なことになったんだ、そこへきてあの格好でカリンが真っ向から勝負を挑んだ。そろそろ侍女の喪も明けるし動きがあるかな〜と、見にきてるんだけど。」


「殿下はブロワト嬢が僕の前に現れると?」


「あのな、実はブロワト家の経営する出入りの業者がいるらしくてね?魔法省にもなんか卸に来てるらしいんだけどさり気なくお前の事を探る様に聞いて帰ったらしいんだよ。」


「え、あの家の商品が魔法省に⁈」


正直、そっちに驚いた何を仕込んでくるかわからない相手だ。


「まあ、落ち着け。王宮内で使われる全てのものはまず、魔法省の検閲を受ける。だから得体の知れんものは入ってこないし、特にいまはブロワト家関係者は雑貨店の使用人からそこへ出入りする客に業者まで魔法省が念入りに調べている。ただ、どうにも目的が解らん事にはいつまでも気分が悪い。だから、もしブロワト嬢がお前、若しくわお前に関係する者を訪ねて来たらその時は通す様に言ってある。」


「え〜、聞いてないですよそんな話!」


「当たり前だ今初めて言った。」


しれっと言いながらお茶を飲む。


「因みに、お前以外は皆知っている。」


空いた口が塞がらない・・・ルディはそのままくるりと首をオブリーに向けると彼は明後日の方向を向いて知らん顔だ。


「遅くなりました殿下」


「おお、待ち兼ねたぞカリン。もう粗方の説明はしてるからな。」


「あ、はい。え〜と、オブリーさんちゃんとルディ様を見て差し上げて下さい。大事な話ですから、謝るべきところは謝って。ここから先は全部隠し事なしでいきましょう。」


「カリン?君はなんだか話の流れから僕には今回の主犯の一人に思えるんだけど・・・」


「ルディ様。申し訳ありません‼」


ガバリッと深々と頭を下げる。ギョッとして


「いや、いいんだよ。きっと、殿下の計画に巻き込まれたんだろう?そうだよね?そうだと言ってっっ⁉」


しかし、再び勢いよく頭をあげたかつての可愛い侍女は言い切った。


「いいえ、残念ながら違います。私が計画し、殿下に相談協力を仰ぎました。主犯の一人ではなく主犯です。がっかりさせてしまいすみません。」


なんだろう、養父や養母が僕に対し頭を抱えていた気持ちがスゴくわかる気がすると、この時ルディは軽いめまいとともに思った。どこで自分は教育を間違えたんだ⁉置いて来たのが悪かったのか・・・。そこまで考えてふと違和感に気づく。


「カリン?なんで室内でまでそんな格好なわけ⁈」


湯浴みをし着替えてきたのはいいが、銀の髪を後ろで一つに結び男物のブラウスにパンツを華麗に着こなしている。


「それはこれから説明します。ええと、ルディ様お隣よろしいですか?」


「あ、どうぞ。オブリーさんも掛けましょう。もう怒ってないですから・・・信用は日に日に薄れてますけど・・・」


「いやねっ、以前も進言したのですよ!危険な事はやめようと。でも私ごときの話は耳にいれてくれないんですよ!大体カリン?たった半年の間に何があったんですかっ。」


「え〜と、色々と。さて、私の話はまた次の機会にしてですねー」


サラッとスルーして計画の話に入る、その様子にオブリーもまた頭を抱えるのだった。


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